投資のポートフォリオを考える際、「分散投資」が大切だということは、多くの方が聞いたことがあるでしょう。
しかし分散投資とはいっても、個別株や投資信託を具体的にどのような比率で保有するべきなのか、迷ってしまいますよね。
また、ひとくちに投資信託とはいっても、日本株に投資する銘柄もあれば米国株に投資する銘柄もあって、何にいくら投資すべきか分からない…という方も多いはず。
今回は、分散投資を意識したおすすめポートフォリオの例をご紹介します。
また、分散投資を意識したポートフォリオの作り方もご紹介。
ご自身のリスク許容度をどのように判断すればいいのか、40代・50代といった年齢に応じたポートフォリオの組み方はどうすればいいか、と言った内容もご紹介しています!
関連記事:分散投資は初心者におすすめ!おさえておきたい投資のキホン
分散投資ポートフォリオのおすすめな作り方を3ステップで解説
具体的にどうやってポートフォリオを作ればいいのか分からない、どの資産に何円分投資すればいいのか迷う、という方も多いでしょう。
分散投資を意識したポートフォリオの作り方について解説します。
STEP1.シミュレーションして目標に合った投資金額・運用年数を設定する
「月何円を何パーセントの利回りで運用すると、最終的に何万円の利益が期待できそうか?」を、各証券会社のシミュレーションツールで計算して、目標設定しましょう。
- どのくらいの利回りを狙うのか
- 何年運用するのか
- 投資にいくら回すのか
月5万円を30年間運用した場合のシミュレーション
利回り | 総収益 | 1年あたり | 1カ月あたり |
---|---|---|---|
3% | 1,100万円 | 37万円 | 3万円 |
5% | 2,361万円 | 79万円 | 6.6万円 |
7% | 4,300万円 | 143万円 | 12万円 |
分散投資を意識したポートフォリオでは、3%~5%くらいの利回りを想定しておくのがおすすめです。
たとえば期待できる利回りが高めの米国株に投資する場合、7%程度の利回りが出る場合もありますが、ずっと同じ利回りで運用できるとは限りません。
あくまで計算上の期待利回りである以上、厳しめの試算をしておいたほうが安全です。
また、あまりにも高い利回りを狙うと、極端にリスクが高いポートフォリオになってしまう可能性もあります。
なお、これ以上高い利回りを狙いたい人は、分散投資ではなく集中投資をするのも、選択肢のひとつとなるでしょう。

STEP2.自分のリスク許容度を知る
ポートフォリオ組むときに難しいのが、「どの程度までリスクを許容するか」ということ。
個人のリスク許容度は、資産の多さ・年齢の若さ・性格・投資経験などに基づいて決まります。
- 自分の収入・資産の多さ
→多いほどリスクを取れる - 自分の年齢
→ 若いほどリスクを取れる - 自分の性格
→ 積極的に攻めたいのか、保守的なのか - 投資経験
→ 投資経験がある人ほどリスクを取れる
『投資の大原則』の著者であるチャールズ・エリス氏とバートン・マルキール氏は、「20~40代の人は、債券の割合は0~25%くらいで十分」だと言っています。
若い人はリスク許容度が高いため、リターンが低い債券より、より多くのリターンが狙える全世界株式や米国株式を多めに保有するのがおすすめです。
反対に年金受け取りが近いという人は、預貯金や債券の割合を増やすなどして、「守り」寄りのポートフォリオを組むといいでしょう。
STEP3.分散投資の内訳を知る
「卵をひとつのかごに盛るな」という投資の格言があります。
これは、分散投資の重要性をあらわした言葉です。
卵をひとつのかごに盛っていると、そのかごを落としてしまったとき、すべて割れてしまいますよね。
しかし複数のかごに卵を入れておけば、ひとつのかごを落としてしまっても、他のかごの卵は無事です。
これをあなたの資産に置き換えて考えてみてください。
もしA社の株に全財産を投資していた場合、A社が倒産すると、資産を一気に失ってしまいます。
しかし、資産の25%を貯金して、他の資産をA社、B社、C社に25%ずつ投資していた場合はどうでしょうか。
A社に投資していた25%の資産をすべて失ったとしても、貯金していた分とB社、C社に投資していた分の残り75%は無事です。
このように分散投資は、投資する「資産」「銘柄」「地域」「時間」などを分散させることによって、リスクを軽減する考え方です。
分散投資の有用性は、ノーベル経済学賞を受賞した『現代ポートフォリオ理論』でも、数学的に証明されています。
分散投資の内訳
投資で分散すべき要素の内訳は、以下の通りです。
分散投資の種類 | ポートフォリオの例 |
---|---|
資産の分散 | 株式・債券・不動産・金など、異なる種類の資産を組み合わせる |
地域の分散 | 同じ株でも、日本株・米国株など、異なる国の株を組み合わせる |
業種(セクター)の分散 | 景気敏感セクターばかりに投資せず、ディフェンシブセクターにも投資する |
時間の分散 | タイミングをずらして株を買う・毎週・毎月などの頻度を決めて投資信託に積立投資する |
資産の分散
今までご紹介してきた株式・債券・不動産・金といった、異なる種類の資産を組み合わせると、リスクが軽減されます。
たとえば、株と債券は逆の値動きをする資産です。
株が全体的に値下がりしたとき、債券も保有していれば、クッションの役割を果たしてくれます。
地域の分散
同じ株でも、日本株・米国株など、異なる地域の株を組み合わせるのも有効です。
たとえば日本で震災が起きて、株式市場が暴落したとしても、アメリカの株式市場は影響を受けないということが考えられます。
また、政治・経済が不安定な先進国に投資して高いリターンを狙いつつ、安定的な先進国にも投資してリスクをおさえる、といったやり方も有用です。

業種(セクター)の分散
安定したポートフォリオを作るには、投資する業種(セクター)も分散させるのがおすすめです。
法律や規制の変更、経済状況などによって、業種単位で影響を受けることも多くあります。
たとえば特定のセクターにばかり投資していると、そのセクター全体の業績が悪くなったとき、配当金が安定してもらえなくなる可能性が。
そのため、単に銘柄を分散させるだけではなく、「ひとつのセクターに集中しすぎていないか?」も考えると、より安定したポートフォリオが作れます。
業種の分類
東証一部に上場している企業は、東京証券取引所によって、33種類に分類されています。
これを「東証株価指数33業種」などと呼びます。
日本の株価指数「TOPIX-17」は、この33業種を、大きく17業種に分類しています。
具体的には以下の通りです。
TOPIX-17の業種分類 | 東証株価指数33業種 |
---|---|
食品 | 「水産・農林業」「食料品」 |
エネルギー資源 | 「鉱業」「石油・石炭製品」 |
建設・資材 | 「建設業」「金属製品」「ガラス・土石製品」 |
素材・化学 | 「繊維製品」「パルプ・紙」「化学」 |
医薬品 | 「医薬品」 |
自動車・輸送機 | 「ゴム製品」「輸送用機器」 |
鉄鋼・非鉄 | 「鉄鋼」「非鉄金属」 |
機械 | 「機械」 |
電機・精密 | 「電気機器」「精密機器」 |
情報通信・サービスその他 | 「その他製品」「情報・通信業」「サービス業」 |
電力・ガス | 「電気・ガス業」 |
運輸・物流 | 「陸運業」「海運業」「空運業」「倉庫・運輸関連業」 |
商社・卸売 | 「卸売業」 |
小売 | 「小売業」 |
銀行 | 「銀行業」 |
金融(除く銀行) | 「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」 |
不動産 | 「不動産業」 |
ちなみに人気の投資先「S&P500」のセクターは、次のように構成されています。
- 情報技術(IT):26.7%
- ヘルスケア:12.8%
- 一般消費財:12.7%
- 金融:11.5%
景気敏感セクター
景気敏感セクターとは、景気動向に左右されやすい業種のことです。
たとえば「素材・化学」「自動車・輸送機」「機械」「電機・精密」などは、景気動向に左右されやすい業種として知られています。
日本の景気が上向いた時は、株価が上昇しやすいですが、景気後退局面では株価が下落しやすいです。
ディフェンシブセクター
ディフェンシブセクターとは、景気動向に左右されにくい業種のことです。
「食品」「医薬品」などの生活必需品や、「電力・ガス」「運輸・物流」などのインフラ関連業種は、ディフェンシブセクターに分類されます。

ただ、ディフェンシブセクターだからといって、株価が暴落しないというわけではありません。
たとえば東日本大震災のときは電力会社が、コロナショックでは鉄道会社が、大きな打撃を受けました。
関連記事:長期投資におすすめのETF13選!米国株の高配当ETF|長期投資に向かないETFとは?
分散投資を意識したおすすめポートフォリオの例5つ
分散投資を意識した、おすすめポートフォリオの例をご紹介します。
- 例①基本のポートフォリオ
- 例②全世界株と米国株に分散投資するポートフォリオ
- 例③米国に集中投資するポートフォリオ
- 例④高配当銘柄中心のポートフォリオ
- 例⑤債券中心の「守り」のポートフォリオ
例①基本のポートフォリオ
投資先 | 保有割合 |
---|---|
国内株式 | 25% |
国内債券 | 25% |
外国株式 | 25% |
外国債券 | 25% |
こちらは私たちの年金を管理している、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオです。

投資先の内訳は、「国内株式25%、国内債券25%、外国株式25%、外国債券25%」となっています。
1.7%の利回りを、最低限のリスクで確保することを目標とした、ローリスク・ローリターンなポートフォリオです。
「どんなポートフォリオを組めばいいか分からない」という方は、このポートフォリオを参考にしてみるのも、ひとつの方法でしょう。
例②全世界株と米国株に分散投資するポートフォリオ
投資先 | 保有割合 |
---|---|
全世界株(投資信託) | 25% |
米国株(投資信託) | 30% |
米国株(高配当ETF) | 15% |
預貯金 | 30% |
全世界株に投資することでリスクをおさえつつ、米国株でしっかりリターンを狙うポートフォリオです。
ETFや投資信託を利用すれば、ひとつの商品で数百~数千銘柄に分散投資ができます。
管理を楽にしつつ、リスクも分散させられていますね。
また、将来に向けた資産形成を投資信託でおこないつつ、米国株の高配当ETFにも投資することで、日々の利益も確保している点がポイントです。
例③米国に集中投資するポートフォリオ
投資先 | 保有割合 |
---|---|
米国株(ETF) | 50% |
米国債券(ETF) | 20% |
預貯金 | 30% |
株と債券で、米国に集中投資するポートフォリオです。
ETFを利用することで、投資先の分散を手軽におこなっています。
米国の成長に期待したい人へおすすめです。
例④高配当銘柄中心のポートフォリオ
投資先 | 保有割合 |
---|---|
国内株(個別高配当株) | 15% |
米国株(個別高配当株) | 10% |
全世界株(投資信託) | 20% |
米国株(高配当ETF) | 20% |
国内債券 | 5% |
預貯金 | 30% |
日本と米国の高配当株を個別株で保有しつつ、投資信託、ETF、債券にも投資しているポートフォリオです。
高配当投資を考えている方におすすめのポートフォリオとなります。
例⑤債券中心の「守り」のポートフォリオ
投資先 | 保有割合 |
---|---|
国内株(個別高配当株) | 10% |
米国債券 | 10% |
国内債券 | 30% |
預貯金 | 50% |
50~60代以降の方におすすめのポートフォリオの一例です。
50~60代以降の方は、今ある貯金や退職金を減らさないように、「守り」重視で堅実に運用することが大切。
債券は株ほど高いリターンを狙うことができないものの、安全性は高く、貯金しているよりも高い利回りが狙えます。
関連記事:長期保有におすすめの米国株15選・米国株ETF4選!高配当株や成長株を厳選
分散投資では「守りつつ増やす」ポートフォリオがおすすめ
ポートフォリオを組む際に大切な考え方は、分散投資によってリスクをおさえつつ、リターンも狙っていくことです。
ポートフォリオのリスクが高くなりすぎると、いつか耐えられないレベルの損失に遭遇して、資産がゼロになる…なんてこともありえます。
しかしだからといって、定期預金や保険といった非常にリスクの低い資産ばかり保有していても、お金をほとんど増やすことができません。
「資産運用で老後資金を用意したい!」「月2万円の不労所得が欲しい!」と思っているにもかかわらず、こういった非常にリスクの低いポートフォリオを組んでいた場合、目標達成は難しいでしょう。
リスクを取るというと、危険でやめたほうがいいことのように思われがちですが、投資の世界ではリスクとリターンが比例します。
自分の取れるリスクを明確にして、貯金しているだけのいわば「寝かせているお金」に、きちんと働いてもらうことが大切です。
お金が増えないポートフォリオとは
日本人の多くは、次のような形で資産を保有しています。
- 例①:現金・預金のみ
- 例②:現金・預金 + マイホーム
- 例③:現金・預金 + 保険
つまり多くの人が、現金・預金・不動産(マイホーム)・保険で資産を保有しています。
日本銀行の「資金循環の欧米比較の統計」を見てみると、現金・預金で資産形成をしている日本の家庭は、54.2%。
しかし他国のデータを確認すると、ユーロ圏では34.9%、アメリカでは13.7%となっています。
現金・預金などは、安全性こそ高いものの、いずれもたくさんお金を生んでくれるとは言えない資産です。
つまり世界的に見ても、日本人はかなり「守り」寄りの、「お金が増えないポートフォリオ」を組んでいます。
関連記事:生活防衛資金の目安ってどれくらい?世帯別の目安や預け先も解説
現金
現金は一番安全な資産ですが、現金で保有しているだけでは、増やすことができません。
また現金にも、次のようなリスクがあります。
- 円安が極端に進行した場合、円の価値が下がるリスクがある。
- 日本や世界の物価は徐々に上がっている。しかし現金を持っているだけでは増えないため、物価上昇に取り残されるリスクがある。
つまり現金の価値は長期的に見て、少しずつ目減りしており、現金で資産を保有しているだけでは増えるどころかマイナスになっているのです。
預金
銀行にお金を定期預金・普通預金などで預けていると、少しずつ利息がつきます。
しかし日本の銀行は、超低金利です。
メガバンクでは約0.002%、高金利な傾向があるネット銀行でも約0.2%ほどしか利息がつきません。
定期預金は普通預金より多く利息がつくものの、「お金を増やしたい!」と思っている人が定期預金だけで満足な成果を得るのは、難しいでしょう。
保険
保険商品の平均リターンは年率1~2%ほどです。
保険では、年金を参考にした運用が行われており、銀行預金よりも高い利回りが期待できます。
中には払った金額が目減りせずに返ってくると保証されている、「元本確保型」の保険商品もありますよ。
保険をポートフォリオに組み込む最大のメリットは、万一の保障が受けられることです。
しかし保険は資産を増やすというより、あくまで万が一のために備えるためのもの。
投資ほど大きな運用成果は期待できません。
また、長期加入が必要、資産運用に向いているとされる保険商品は掛け捨てタイプの保険より保険料が高い、といったデメリットもあります。
マイホーム
マイホームからは家賃収入を得られません。
そのため、マイホームがお金を生んでいるかどうかは、値上がりしているかどうかで判断します。
しかし、住宅は経年劣化する消費財です。
残念ながら、買った時より高く売れる家はかなり少なく、基本的に値下がりし続けます。
つまりマイホームは、収益性が高い資産とは言い難いです。


マイホームを買うとどの程度お得になるのか、あるいは損をするのかは、次の方法で「マイホームの本当の家賃」を計算して考えましょう。
- ○年間住んだ後、マイホームを売った場合、合計の損益はいくらになるのか
- この金額を月割りすると、月いくらの家賃で暮らしたことになるのか計算できる
※転居の必要性が生じるリスクも考慮する。
ただ、マイホームの購入を否定するわけではありません。
「マイホームを買うのが夢!」という人にとっては、マイホームを買うことでしか得られない価値があるでしょう。
「マイホームは資産になる」という考えでポートフォリオに組み込むというより、マイホームに心の豊かさを求めるかどうかで判断することをおすすめします。
お金が増えるポートフォリオとは
現金・預金などの安全性が高い資産の一部を、自分のリスク許容度に応じて有価証券(株式や債券)や投資用の不動産に変えることで、「お金が増えるポートフォリオ」を組むことができます。
- 例①:投資用不動産50% + 現預金20% + 株15%+債券15%
- 例②:現預金20% +株50%+債券20%
では「お金が増えるポートフォリオ」に組み込む選択肢として挙げられる投資対象について、詳しく解説していきます。
- 国内債券
- 不動産
- 外国債券(先進国債券)
- 新興国債券
- 国内株式
- 投資信託
- 金
- 金米国株式・先進国株式
- 新興国株式
- 仮想通貨
国内債券
国内債券はローリスク・ローリターンな投資対象です。
債券とはわかりやすく言うと、国や企業にお金を貸すことで、利子をもらう投資方法。
国債・地方債・社債・事業債などの種類があります。
債券の最大の魅力は、満期まで待てばお金が戻ってくるうえに、利子も受け取れることでしょう。
平均利回りは年率1.4%と、株や不動産投資と比較して低いですが、安全性が高いです。
また債券は株のように、市場で売却することが可能です。
なお、株式と債券は逆の値動きをする傾向があります。
不動産
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンです。
- 不動産を買って人に貸し、家賃収入を得る
- 不動産を買って、買ったときより高く売り、差額で利益を得る
不動産投資の家賃収入は、利回りが年率4~6%程度だと言われています。
ただし空室期間は収入がゼロになる、家賃を滞納されたり修繕費用が高くなったりする可能性がある、等のリスクも。
可能性は低いですが、地震や火災によって大損害を被るリスクもあります。
一方で節税効果がある、借り手さえ見つかれば毎月安定した収入が得られる、といった点はメリットです。
外国債券(先進国債券)
発行市場・発行体・通貨のいずれかが外国の債券は、「外国債券」です。
国内で発行された外貨建ての債券や、海外で発行された円建ての債券も、まとめて「外国債券」と呼びます。
外国債券は国内債券と違って、為替変動の影響を受けるリスクがあるものの、平均利回りは4.4%程度です。
なぜ外国債券は国内債券より利回りが高いのかというと、海外の金利の高さが関係しています。

先進国(欧米諸国)の債券なら、安全性は非常に高いです。
新興国債券
インド、メキシコ、ブラジルなどの新興国で発行された債券のことを、「新興国債券」といいます。
先進国の債券よりも高めの利回りが期待できますが、新興国は国の財政・政治状態が不安定な場合も。
債券価格が大きく低下する可能性も考えられます。
先進国の債券より、リスクは高めです。
もし新興国債券をポートフォリオに組み込むとしても、組み入れ比率は低めにしておくことをおすすめします。
国内株式
資産運用といえば株を思い浮かべる人も多いでしょう。
国内株式はミドルリスク・ミドルリターンな資産です。
株を持っているだけで定期的に受け取れる「配当金」を目当てに投資する方法や、株を買ったときと売ったときの差額で利益を狙う方法などがあります。
配当金の平均利回りは、約2%です。
株式投資で難しいポイントは、「どのタイミングで買い、売るか」「どの企業の株を買うか」など。
大化けしてリターンが何倍にもなる可能性もあれば、逆に会社の上場廃止が決まって大暴落するリスクもあります。
投資信託
投資初心者は、ひとつの銘柄を買うだけで複数の株や債券に分散投資できる、「投資信託」も活用するといいでしょう。
投資信託を通じて投資する場合、自分で銘柄を個別に選ぶ必要がありません。
プロに運用を任せられるので、管理もラクです。
長期の資産形成に適しています。
なお、不動産投資信託は「REIT」といいます。
金
金は「安全資産」と言われています。
株や現金などは、企業や国によって価値を認められている資産です。
企業や国が破綻してしまった場合、価値がゼロになるおそれもあります。
しかし金は古くから希少価値が認められてきた資産です。
金そのものに価値があるため、もしもの場合に強いと言われています。
さらに、埋蔵量に限りがあるため、今後さらに高騰するかもしれないと期待する声も。
なお金は、株式相場が暴落したり、戦争・テロなどが起こったりすると、価格が上がりやすいです。
反対に、経済や世界情勢が安定している時は、価格が下がります。
関連記事:金に投資できるおすすめの証券会社・方法・銘柄!金への投資は本当におすすめ?
米国株式・先進国株式
国内株ではなく、先進国の株式に投資する方法もあります。
先進国株式の中でも、特に米国株式は、安定したリターンが期待できると言われており人気です。
米国株式は1株から購入可能。
国内株式にはない為替リスクがある、毎日の取引量が多いことから値動きも大きい、といった特徴があります。
また国内株式と違って、株主優待はありません。
しかし一方で配当金をたくさん出している企業が多く、数十年間連続増配を続けている銘柄もあります。
配当金目当てで米国株式を長期保有している投資家も多いです。
新興国株式
新興国株式に明確な定義はありませんが、一般的には、中国・韓国・ロシア・インドネシアなどの国々の株を指します。
「中国や韓国は、経済や安全保障のレベルを考えると、先進国なのでは?」というイメージを抱いている方も多いでしょう。
しかし中国や韓国の株は、新興国株式に投資する投資信託に組み込まれています。
中国の個別株が買える証券会社は比較的多いものの、韓国やロシアの個別株が買える証券会社は少ないです。
また、企業の情報収集が難しいのも難点。
とはいえ投資信託を通じて新興国株式に投資する方法なら、さまざまな証券会社を通じて実践できます。
新興国株式インデックスファンドの魅力は、先進国株式インデックスファンドより、高利回りを狙える場合もある点です。
先進国に投資するインデックス型の投資信託では、利回りが3~5%もあれば優秀だと言われています。
いっぽう新興国株式インデックスファンドでは、過去に10や20%といった運用利回りを叩き出した銘柄もあります。
しかし全体的に信託報酬が高めで、価格変動も大きいです。
新興国株式をポートフォリオに組み込む場合、先進国にも投資して、リスクのバランスを取るのがおすすめですよ。
関連記事:新興国株式インデックスファンドのおすすめ4選!保有しておくべき?今後の見通しを解説
仮想通貨
仮想通貨とは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのインターネット上でやりとりされる通貨です。
値動きが非常に激しく、暴騰・暴落がたびたび起ります。
ハイリスク・ハイリターンな性質を持つ資産です。
「値動きを敏感に察知して、高いリターンを狙っていきたい!」という方は、ポートフォリオに組み込んでもいいでしょう。
手軽に分散投資ができる最強のおすすめ投資信託2選
手軽に分散投資を実践したい人には、投資信託やETFがおすすめです。
ここでは、最強のおすすめ投資信託をご紹介します。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
この2つは非常に人気が高く、運用コストも安い銘柄です。
ぜひポートフォリオに組み込んでみてください。
①eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim全世界株式は、その名の通り、これひとつで世界中の株に分散投資できる商品です。
今は世界経済の中心がアメリカなので、投資先の割合としては米国株が中心となっています。
しかし今後もし世界経済の中心が違う国になったとしても、その成長を取り込める点が魅力的です。
②eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim米国株式は、これひとつで米国の大手企業に分散投資できる商品です。
具体的には、米国で時価総額の大きい主要500社に分散投資します。
S&P500は「最強の株価指数」と謳われることもある、非常に人気の高い投資対象です。
安定性・成長性が魅力といえます。
関連記事:投資信託おすすめ銘柄&証券会社人気ランキング!初心者向け最新情報まとめ【2022年】
ポートフォリオの管理・分散投資におすすめの証券会社3選
パソコンやアプリでポートフォリオの管理がしやすい、おすすめのネット証券をご紹介します。
下記のネット証券は、取り扱い商品が豊富です。
分散投資に最適な投資信託やETFも、たくさん取り扱っています。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
楽天証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,634件 |
株式以外 | FX CFD ETF 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短2営業日後 |
特徴 | 手数料が安い! 取扱商品が豊富! 初心者にも使いやすい! |
楽天証券は、近年ぐんぐん人気を伸ばしている人気のネット証券です。
楽天グループの関連サービスとの連携が強み。
たとえば、楽天銀行の口座を持っていれば証券口座に自動で入金ができる、「マネーブリッジ」というサービスがあります。
また、楽天市場でのお買い物で使える楽天ポイントが、投資でたまる・使える点も好評です。
さらに楽天証券の口座を持っていれば、日経テレコンを経済情報の収集に活用できます。
ぜひ無料で口座開設して、お得な楽天証券を活用しましょう。
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関連記事:楽天証券の評判・口コミまとめ!ポイント投資や手数料も解説
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
SBI証券は業界ナンバーワンの口座数を誇る、大人気のネット証券です。
手数料が安く、取り扱っている商品数も非常に豊富。
総合力の高さが特徴です。
これから投資を始めたいなら、SBI証券の口座を作っておけば、「取引したい商品の取り扱いがない…」と後から困る可能性は低いですよ。
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関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
マネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
「米国株投資に力を入れたい」「投資信託の購入でたくさんポイントをもらいたい」という人には、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は米国株の取り扱い銘柄数が多く、取引コストも安いです。
また投資信託を「マネックスカード」というクレジットカードで購入した時のポイント還元率が、業界トップクラスの高さである点も魅力。
銘柄分析に役立つ「銘柄スカウター」も、投資家から高評価を得ています。
口座開設は無料なので、ぜひ作っておきましょう!
\無料ではじめる!/
関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
初心者はシンプルなポートフォリオでの分散投資がおすすめ!
分散投資というと、いろいろな銘柄に投資しなければいけなくて大変…とお思いになるかもしれません。
しかし投資信託やETFを利用すれば、シンプルかつ分散のきいたポートフォリオが作れます。
「投資が好き」という方は、いろいろ個別銘柄を買って楽しむのもおすすめですが、「楽に管理したい」という方は、投資信託やETFも活用するといいでしょう。
20代や30代の方は、新興国や米国に投資して、積極的にリターンを狙える年代です。
反対に60代前後の方は、債券や預金の割合が高い「守り」のポートフォリオを組むように心がけましょう。
大切なのは、個人のリスク許容度と目標に合ったポートフォリオを作ることです。
ぜひ今回の内容を参考に、分散投資を実践してください。
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