

今回はトラリピの税金知識について解説します。
本記事の内容:
- トラリピの税金・確定申告について
- 3つの節税テクニックを紹介
12月になると投資の税金や確定申告を考えますよね。
特に含み損があるケースだと一旦損を確定して翌年に損失繰越をするなどの対策を取る方も多いと思います。
ですが、トラリピのようなFX自動売買ってどう税金対策すればいいか悩みますよね?
そんな疑問にお答えすべく今回はトラリピで節税する方法について解説します。
トラリピの3つの節税対策
①経費計上
②マイナススワップを確定
③含み損ポジを決済ただし含み損決済は同ポジの取り直しを手動でするとポジ量が増えるので非推奨です。
— SATO@リーマン投資家 (@SATO80304694) December 10, 2019
トラリピの税金知識の基本から解説していくので、ぜひ最後までじっくりご覧下さい。
関連:トラリピのメリット・デメリット・評判まで完全ガイド!設定と戦略まで超詳しく解説
トラリピの税金・確定申告について
まずトラリピの税金面の基本知識を解説します。
▼トラリピの税金・確定申告まとめ
項目 | 内容 |
所得種類 | 雑所得(申告分離課税) |
税率 | 20.315% 所得税:15% 住民税:5% 復興特別所得税:0.315% |
確定申告 対象 | 為替差益 スワップポイント(受取済) |
損益通算が できるもの | FX・CFD 先物・オプション取引 |
損失繰越 | 3年間繰越できる。(確定申告が必要) |
トラリピの利益は「雑所得(申告分離課税)」で、決済で得た利益とスワップポイントが対象になります。
なお、未決済ポジションのスワップは含み益扱いなので、申告対象になりません。スワップ振替をすると利益確定となり、課税対象になります。
▼スワップに関する公式サイトのQ&A
Q:未決済ポジションのスワップは課税対象となりますか?
A:スワップ振替をした場合には課税の対象となります。
マネースクエアFXでは、ポジションに対して日々発生するスワップは有効証拠金に反映されます。当該スワップの振替を行い預託証拠金に反映された場合には売買差損益と同様に実現損益となり、雑所得として課税対象となります。
引用:マネースクエア
トラリピで確定申告が必要なケース


トラリピ以外に投資をしてる人もいると思うので、確定申告がいる・いらないをパターン別に整理しました。
▼確定申告要否
ケース | 内容 | 要否 |
①トラリピのみ | 20万円以上の利益 | 要 |
②トラリピ + その他FX・CFDなど | トラリピ:10万円 その他FX・など:10万円 | 要 |
③トラリピ + 株式 (損失) | トラリピ:20万円 株式投資:-10万円 | 要 |
④トラリピ + 株式(源泉徴収無) | トラリピ:10万円 株式投資:10万円 | 要 |
⑤トラリピ + 株式(源泉徴収有) | トラリピ:10万円 株式投資:10万円 | 否 |
注意してほしいのが③のケース。
FXと株は損益通算ができません。
つまり株で大きく損してもFX単体で20万円以上の利益があると確定申告が必要になるので認識しておきましょう。
▼損益通算できるもの・できないもの
所得種類 | 対象 |
譲渡所得 配当所得 利子所得 (分離課税) |
|
雑所得 (分離課税) |
|
雑所得 |
|
(同じ枠内でのみ損益通算が可能)
トラリピは赤字の投資と損益通算が可能です。
またケース④のように損失の合算はできないのに、利益の場合は合計が20万円以上だと確定申告が必要になる点もポイントですね。
(投資家に不利なルールで納得いきませんが、仕方なしです。)
FX・CFD取引に関する税金知識・確定知識について詳しく知りたい方は関連記事も合わせてご覧ください。
関連:CFD・FX投資の税金・確定申告まとめ【節税テクあり】

損失の場合も確定申告をした方がお得【損失繰越】
ちなみに損失がでた場合は、損失繰越をすることで以降3年間の利益と相殺できるのでやっておくことをオススメします。
損益通算を行っても、損失額の方が大きくなってしまった場合、その翌年以降3年までこの損失の繰越ができます。繰越した損失額は、その年の利益から控除することができます。(繰越控除の適用を受けるためには、損失が生じた年以降継続して確定申告が必要です。)
引用:マネースクエア
では本題の税金対策について説明します。
トラリピの税金対策【3つの節税テクニック】
トラリピでは以下3つの節税テクニックが使えます。
- 経費を計上する
- マイナススワップを確定させる
- 含み損ポジションを決済する【非推奨】
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①:経費を計上する
まずFXを始めとする雑所得は経費計上ができます。
▼所得の内訳
所得=収入-経費
確定申告は収入ではなく、所得に対してかかります。
例えばトラリピで20万円利益があり、セミナーや書籍などで10万円の経費を使った場合は
- 20万(収入)-10万(経費)=10万(所得)
となり、確定申告を不要にできるというわけですね。
経費に出来るものの例:
- セミナー代(交通費・宿泊費含む)
- 書籍代
- 筆記用具、ノート
- 飲食などの交際費
- スマホ・ネット代(投資に必要な割合のみ)
- パソコン・プリンターなど(投資に必要な割合のみ)
スマホ・ネット代などは全額はさすがに不可ですが、1/3程度なら認められることもあるようです。

経費として計上するには領収書・レシートが必要です。
また経費はエクセルで日付と内訳などを整理しておくといいですね。(この点は税務署に確認しておくことをオススメします。)
②:マイナススワップを確定する
必ずやるべき節税テクがマイナススワップの確定です。
▼マイナススワップとは?
ポジションを保有すると支払う必要があるお金。
▼トラリピのマイナススワップ
上記のとおりマイナススワップが貯まっている人は、振替実行することで税金を減らすことが可能です。

③:含み損ポジションを決済する【非推奨】
3つ目が含み損のポジションを決済する方法です。
例えば含み損が-20万円の通貨ペアがある場合、ポジションを決済して、再度ポジションを取りなおすことで損失のみを確定させることができます。
この方法は裁量トレードでよく使われる方法で、損失繰越をしつつ、翌年の税金を減らすことが可能。
なんですが!トラリピではオススメできません。
理由はリスクが大きくなるからです。

▼含み損決済ケースでシミュレーション
- 通貨ペア:米ドル円
- 平均保有価格:110円(ロング)
- 現在:100円
- 保有量:1万通貨
- 含み損:-10万円
このケースで含み損決済をする場合は以下の流れとなります。
- トラリピを停止&決済=-10万円確定
- 現在価格で1万通貨を新規エントリー(手動)
- トラリピ再開
- ②とは別にトラリピで新規ポジションが追加される。
つまり、
「手動でポジションを取りなおして、トラリピを再開すると全体のポジション量が増えるためリスクが大きくなる」
ということです。
もちろんトラリピを辞めるつもりなら、年末に合わせて決済するのは全然OKです。
しかし、損失繰越のみを目的として含み損を決済するのはオススメできないので、覚えておいてくださいね。
なお、トラリピの停止方法、やめ方は以下記事で解説してるので興味があればご覧ください。
関連:【トラリピの停止方法】注文取消・ポジション決済の方法を解説【図解】

まとめ:知識武装してムダな税金を減らそう!
今回はトラリピの税金・確定申告の基本知識と節税テクを解説しました。
▼トラリピの節税テク
- 経費を計上する。
- マイナススワップを確定させる【オススメ】
- 含み損ポジションを決済する。【非推奨】
投資は利益ばかりにフォーカスしがちですが、税知識でムダな支出を減らすのも同じくらい大切です。

コメント