仮想通貨の急落は、毎年定期的に起きています。
2022年とそれ以前に仮想通貨が急落した理由を振り返り、これから同じような暴落が起きた場合にどんな対策ができるか、考えていきましょう。
過去の傾向を知っておけば、下落相場を焦らず冷静に乗り切れるようになりますよ。
下落相場に強いとされている銘柄の選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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2022年に仮想通貨が急落したのはなぜ?
2021年11月に、仮想通貨全体の時価総額は過去最高の約3兆ドルを記録しました。
このときビットコイン(BTC)も、過去最高の770万円付近まで高騰しています。
しかし2022年は、仮想通貨の急落が目立つ1年でした。
特に注目度の高かった急落と、その理由を振り返っていきましょう。
- LUNA・USTの歴史的な大暴落
- FTXの破産とハッキング被害による急落
- アメリカの金融引き締めによる急落
①LUNA・USTの歴史的な大暴落
2022年5月に、ドル連動型ステーブルコイン「UST」を発行するブロックチェーンのテラ(LUNA)が、たった1週間で100万分の1に急落しました。
かつてのテラは時価総額ランキングでトップ10、USTはステーブルコインの時価総額で3位まで昇りつめるほど将来を有望視されていました。
しかし2022年5月にUSTのドル連動が外れると、信用不安が広がり、機能を取り戻すことなく崩壊してしまいます。
仮想通貨市場全体に信用不安が広がる結果となりました。
②FTXの破産とハッキング被害による急落
2022年11月の仮想通貨急落は、負債総額が70億ドルに達していたアメリカの仮想通貨取引所大手「FTX」の破産と、ハッキング被害が関係しています。
FTXが破産申請した翌日の12日に、FTXの公式サイトや公式アプリがハッキングされ、FTXに残されていた約660億円が盗まれてしまいました。
この事態を受けて、世界最大の大手取引所である「binance」は、保有している約2300万ものFTTトークンを全て売却すると発表しています。
この出来事は、仮想通貨市場全体の暴落につながる結果に。
ビットコインやイーサリアム、ソラナなども例外ではなく急落しました。
③アメリカの金融引き締めによる急落
アメリカの金融政策も、仮想通貨市場に影響を及ぼしました。
アメリカの金融市場から多数の資金が引き上げられた結果、株式市場と仮想通貨市場が揃って急落しました。
新型コロナウイルスによる物品供給網の混乱や、ウクライナ情勢に伴う原油高などの影響で、アメリカのFRBが利上げの動きを見せたことが関係しています。
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過去に発生した仮想通貨急落の理由
2017年~2021年に起きた仮想通貨の急落と、その原因を振り返っていきましょう。
2017年1月の仮想通貨急落
2017年1月に、ビットコインの価格が約30%も急落しました。
原因は暗号資産交換業者に対して、中国政府が警告を出したことだといわれています。
以前から中国政府は、暗号資産取引に対して厳しい目を向けており、規制を強めてきました。
実際、暗号資産交換業者が中国政府によって取引を停止され、その際にビットコイン相場が値崩れしたこともあります。
「またビットコインの価格が落ちるのではないか」と警戒した人々がビットコインを売った結果、急落が起きたと考えられるでしょう。
2017年9月の仮想通貨急落
2017年9月にも、ビットコインは約30%急落しています。
理由は同年1月の急落と同じく、中国政府が暗号資産への規制を強めたからだという見解が一般的です。
具体的には、中国でICOが全面的に禁止されたことが挙げられます。
確かにICOを利用した詐欺は問題になっていましたが、この規制が仮想通貨市場に不安を与え、急落に繋がりました。
2018年1月の仮想通貨急落
翌年2018年1月には、約1週間で36%ほどビットコインが急落しています。
原因として考えられるのは、次の2点です。
- 2017年12月からビットコインの暴騰が続いており、利益を確定する投資家が増えた。
- 「韓国で暗号資産交換業者が全面的に禁止される」という情報が流れた(後に韓国政府は、この情報が間違いだと訂正)。
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2019年9月の仮想通貨急落
2019年9月23日~26日にもビッドコインは急落しています。
9月22日には1BTC=108万円でしたが、26日には88万円を切ってしまいました。
この急落は、原因がはっきりと特定されていません。
「Bakkt(バックト)社がビットコイン先物を2019年9月23日に立ち上げたものの、ユーザーからの反応がイマイチだったことが関係しているのではないか?」との意見もあります。
2019年10月の仮想通貨急落
2019年10月23日に、グーグルによって開発された量子コンピューターが、従来型コンピューターよりも高性能だという発表がおこなわれました。
仮想通貨市場では、「ブロックチェーンで使われている暗号技術が破られたり、マイニングにおけるハッシュパワーが独占されたりするのではないか?」という不安が拡大。
10月22日に約89万円だったビットコインは、23日に81万円まで下落しています。
2019年11月の仮想通貨急落
グーグルの量子コンピューター発表による不安が広がったのも束の間、2019年10月25日には中国の習近平国家主席が、ブロックチェーン技術を推進するよう指示しました。
これを受けて、一時的に下がっていたビットコイン価格は大きく上昇しています。
しかし11月22日には、次の内容が発表され、また相場は下落傾向となりました。
- 中国国内の違法な暗号資産交換業者の取り締まり強化
- 中国当局がある暗号資産交換業者の上海支部を捜査した
2019年11月1日には1BTC=100万円まで回復していましたが、上記の報道後、11月24日時点で約76万円前後に下がっています。
2020年3月の仮想通貨急落
株式市場と同じく、仮想通貨市場も新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。
2020年3月7日時点では95万円前後だったビットコイン価格が、16日時点で約50万円と、従来の約半分にまで下がっています。
特に3月12日の暴落は顕著でした。
アメリカで「ブラック・サーズデー(暗黒の木曜日)」と呼ばれるほどです。
ビットコインは株価が下がると買われる傾向があるのですが、このときのコロナショックでは、株価とビットコインの両方が揃って値下がりしました。
あらゆる資産が値下がりしたために、仮想通貨も含めた資産を「売り」に出して現金化しようとする流れが強まったと考えられています。
2021年5月の仮想通貨急落
度重なる急落を経験したビットコインですが、2020年12月には200万円、2021年4月には600万円と、どんどん過去最高値を更新し続けます。
しかし2021年5月下旬から6月上旬にかけて、300万円付近まで急落。
おもな原因は次の通りです。
- アメリカの電気自動車大手企業が、「ビットコインを使った決済を停止する」と発表した。
- 中国国務院金融安定発展委員会が、ビットコインのマイニングを禁止した。
ビットコインのマイニングには、膨大な電力を消費します。
世界で脱炭素の流れが強まっている中、「ビットコインのマイニングは時代の流れに合っていない」「環境に悪影響である」と問題視された結果です。
仮想通貨の電力消費問題は解決しておらず、今後の課題でしょう。
関連記事:仮想通貨の利益に税金はかかる?「確定申告しなくてもバレない」は嘘!?
仮想通貨急落はなぜ起きる?よくある原因
2017年~2022年に起きたさまざまな仮想通貨の急落と、その原因を振り返ってきました。
今後も気をつけたいよくある仮想通貨の急落要因は、以下の通りです。
- 中国の規制強化
- 大国の金融政策
- ハッキング被害による信用低下
- 仮想通貨決済の終了発表
- 急騰後の反動
中国政府は、仮想通貨への規制を強めています。
今後も規制が厳しくなるたびに、仮想通貨の価格に悪影響を及ぼす可能性は大きいでしょう。
また大国の金融政策によって金融資産を売る流れが強くなると、仮想通貨も下落しがちです。
現在は新型コロナウイルスやウクライナ情勢の影響で世界経済が停滞しており、このことも仮想通貨の価格に影響を与えています。
さらにハッキング事件が起こると、仮想通貨そのものに対する不安が広がり、市場全体が急落します。
このように仮想通貨の急落は、予測が難しい要因によって引き起こされるので、リスクを100%回避するのは至難の業です。
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仮想通貨急落に備える!5つの対策
仮想通貨急落に対して投資家が実践できる、5つの対策をご紹介します。
- 相場が安定するまで投資額をおさえて資金を貯めておく
- 損切りのルールを決めておく
- 長期投資なら少額購入・買い増しもあり
- 価格変動が小さく大暴落しにくい銘柄を選ぶ
- 草コイン投資は慎重におこなう
1.相場が安定するまで投資額をおさえて資金を貯めておく
仮想通貨の価格が急落しているときは、投資額をおさえるのが妥当です。
無理に投資すると、大きな損失につながる可能性があります。
次のチャンスを待っている間に、少しずつ投資資金を貯めておきましょう。
2.損切りのルールを決めておく
損切りとは、保有している仮想通貨を売って、損失を確定させることです。
「いつか値上がりする」と思ってなかなか損切りできずにいると、さらに値下がりして、損失が膨らんでしまう…という失敗はありがち。
損切りのラインを決めておけば、損失の拡大を防げます。
3.長期投資なら少額購入もあり
下落相場は少ない資金でたくさんの仮想通貨を買うチャンスとも捉えられます。
今後ふたたび値上がりしそうな銘柄を少額だけ買い増しするのも、ひとつの方法です。
ただし信頼性が高く、長期的に価格回復が見込めるような銘柄を選ぶようにしましょう。
信頼を失って暴落したような銘柄は避けてください。
また安易に大量の資金をつぎ込むのも禁物です。
4.価格変動が小さく大暴落しにくい銘柄を選ぶ
値動きが激しい=ボラティリティ(価格変動率)が大きい銘柄ほど、下落相場では大きな損失に繋がりやすいです。
ボラティリティが比較的小さい銘柄のほうが、大暴落しにくいといわれています。
ビットコインやイーサリアムはボラティリティが比較的小さいので、おすすめです。
また時価総額が高いか、活用が進んでいるかといったポイントも意識して銘柄を選びましょう。
5.草コイン投資は慎重におこなう
草コイン投資とは、時価総額が小さい仮想通貨を狙って保有する投資方法です。
ビットコインのような注目度が高い仮想通貨より、安価で保有できます。
初心者は「一攫千金を狙えるのでは?」と思いがちですが、ハイリスク・ハイリターンです。
投げ売りされやすく、下落相場では価格が急落しがちというデメリットがあります。
これから仮想通貨を始めたいなら、まずはビットコインやイーサリアムといった、信頼性が高い人気銘柄から投資するのがおすすめです。
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仮想通貨急落は予測が難しい!リスク管理の徹底が大事
過去の仮想通貨の値動きを振り返ると、高騰は数ヶ月〜1年程度しか続かず、その後は急落することが多いです。
高騰時はこれからもどんどん価格が上がりそうな気がして、買い増ししがちですが、高値掴みには注意してください。
利益確定と損切りのタイミングをしっかり決めておきましょう。
また2022年には、業界トップレベルの取引所や銘柄が崩壊する出来事も起きています。
使う取引所や投資する銘柄を複数に分けて、リスクの分散を図りましょう。
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