コロプラの業績は以前より悪化しており、「やばい」と不安の声が上がっています。
今までコロプラに何があったのか、果たして今後コロプラはどうなっていくのか、気になっている人は多いでしょう。
現在のような株価に至った流れと、今後の見通しについて解説します。
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コロプラはどんな会社?株価がやばいって本当?
コロプラ(3668)はスマホゲームを作っている日本の会社です。
2012年12月13日に東証マザーズへ上場しています。
その後2014年4月22日に、上場市場を東京証券取引所第一部へ変更しました。
コロプラの代表的なゲーム
- 白猫プロジェクト
- 白猫テニス
- 魔法使いと黒猫のウィズ
- ディズニーツムツムランド
- ドラゴンクエストウォーク
特に『ツムツム』や『白猫プロジェクト』が有名です。
「CMを見かけたことがある」「セールスランキングで上位に入っているのを見たことがある」という方も多いでしょう。
すべて自社で開発・運営しているわけではなく、他社に開発や運営を任せているタイトルもあります。
- ゲーム事業…スマホゲーム
- VR事業…VRゲームの制作や投資
- 投資事業…国内外問わず幅広い領域に投資
- コロカ事業…提携店舗でカードを配布
コロプラがやばいって本当?チャートで株価の推移をチェック
コロプラはスマートフォンとスマホゲーム普及の波に乗り、2013~2015年頃にかけて一気に成長した会社です。
当時、スマホゲーム業界は急速に伸びており、その期待感に伴ってコロプラの株価も爆発的に上昇しました。
特に以下のアプリは、コロプラの売り上げを牽引した存在です。
当時はセールスランキング上位の常連でした。
- 魔法使いと黒猫のウィズ(2013年3月5日配信開始)
- ディズニーツムツム(2014年1月29日配信開始)
- 白猫プロジェクト(2014年7月14日配信開始)
しかし2017年頃から陰りが見え始め、2014年8月に4460円を記録した株価は、現在600~700円台まで落ちています。
白猫プロジェクトやディズニーツムツムなど、かつてセールスランキング上位の常連だったタイトルも、いま流行りの他社ゲームに押されている状況です。
加えて2018年には任天堂と騒動が起こったことで、「コロプラがやばい」「潰れるかも」などとネットで言われるようになりました。
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コロプラの業績推移
コロプラの過去の業績は、以下の通りです。
決算期 (9月) | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率(%) |
---|---|---|---|
2014年 | 53,575 | 23,604 | 44.1 |
2015年 | 72,396 | 32,318 | 44.6 |
2016年 | 84,730 | 31,855 | 37.6 |
2017年 | 52,246 | 12,932 | 24.8 |
2018年 | 45,776 | 6,952 | 15.2 |
2019年 | 38,920 | 2,952 | 7.6 |
2020年 | 45,128 | 12,250 | 27.1 |
2021年 | 37,125 | 6,320 | 17.0 |
営業利益がもっとも高かったのは、2015年です。
当時のコロプラは黒猫・白猫・ツムツムなど、大ヒットアプリを連発していました。
しかしどんなに人気のゲームでも、よりグラフィックがキレイで真新しい新作ゲームがリリースされれば、ユーザーが減っていってしまうものです。
2017年には営業利益がガクッと落ち、株価も同年に大きく下がっています。
もっとも営業利益・営業利益率が低かったのは、2019年です。
しかし2019年にリリースしたドラクエウォークが好調で、2020年に業績が一時回復しています。
しかし翌2021年には減益となりました。
今後「白猫」「黒猫」に次ぐ新たな大ヒットタイトルを生み出せなければ、最盛期のような売り上げには戻らない可能性があります。
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コロプラの株価が低迷している理由
2014年には4000円台だったコロプラの株価が、なぜ現在は600~700円台で推移しているのでしょうか。
詳しい理由を見ていきましょう。
代表作の売り上げが落ちている
2013~2014年頃にかけて、大ヒットゲームを続々リリースしていたコロプラ。
2016年・2017年は、まだ年間セールスランキングの10位以内に「白猫プロジェクト」「ディズニーツムツム」が入っていました。
しかし、その盛り上がりも徐々に落ち着いてきます。
現在はコロプラの看板タイトル「白猫プロジェクト」ですら、セールスランキング100位以内に入れないことが多い状況です。
- 他社の新しいゲームにユーザーが流れている
- ずっと同じゲームでユーザーの興味を惹き続けるのは難しい
2019年にドラクエウォークが大ヒット
2019年には、スクウェア・エニックスと共同開発した「ドラクエウォーク」が大ヒット。
その影響で、コロプラの株価がストップ高となりました。
現在もドラクエウォークはセールスランキング20位以内に入っていることが多く、順調に人気を維持しています。
しかし、コロプラ全体の営業利益は、最盛期の5分の1ほどに落ち込んでいる状況です。
現状の打開には至っていません。
【2017年】Nintendo Switchの発売
コロプラの株価が絶好調だった2014年頃は、「これからはスマホゲーの時代」「今後はコンシューマーゲームが衰退していくのではないか」と言われていました。
家庭用ゲーム機のこと。
しかし2017年3月3日に発売された家庭用ゲーム機のNintendo Switchは、入手困難になるほど人気を獲得します。
「どうぶつの森」「マリオカート」「ゼルダの伝説」などのタイトルが非常に面白いと評判を呼び、絶大な支持を得たのが要因です。
さらに新型コロナウイルスの巣ごもり需要もあり、「これからはスマホゲーの時代」と言い切れない状態になってきました。
スマホゲーム市場自体は年々拡大を続けているものの、コロプラのようなスマホゲー関連銘柄に対する期待感は、以前ほどではなくなっています。
【2018年】任天堂との騒動
2018年に任天堂が、「コロプラの白猫プロジェクトが任天堂の特許権を侵害している」と訴訟を起こし、44億円の損害賠償金を請求しました。
任天堂がコロプラに特許権を侵害していると初めて指摘したのは、平成28年9月のことです。
それから1年以上かけて、コロプラは特許権を侵害していないと任天堂に説明してきたそうですが、和解には至らず訴訟が起きました。
コロプラは「任天堂の特許権を侵害している事実はない」「その見解の正当性を主張していく」との方針を示します。
しかし任天堂法務部はネットで「裁判を起こしたらほぼ負けなし」「最強」と謳われている存在です。
この出来事がきっかけで「コロプラがやばい」とネットで言われるようになり、その不安感は株価にも反映されています。
この年、コロプラは上場初の赤字決算となりました。
【2019年6月】最果てのバベルの騒動
コロプラは2019年6月21日に、「自社ゲームの課金アイテムを買ってくれるよう、自社費用850万円で取引先に依頼していた」「この課金は2019年6月13日に実行された」と明らかにしました。
この出来事の背景には、セールスランキング操作の意図があったそうです。
意図的な課金がおこなわれたアプリ「最果てのバベル」は、2020年4月30日にサービス終了しています。
【2021年】任天堂が損害賠償を96億9,900万円に引き上げ
4月13日付で任天堂は、コロプラに請求していた損害賠償金を、96億9,900万円に引き上げました。
請求金額が上がった理由は、訴訟から時間が経過したためです。
コロプラは「任天堂の特許権を侵害する事実はない」「その見解の正当性を主張していく方針」と説明しています。
【2021年8月】任天堂と33億円で和解
コロプラは2021年8月4日に、任天堂と和解が成立したと発表しました。
コロプラが任天堂に、33億円の和解金を支払ったことで、任天堂が訴訟を取り下げた形です。
この和解金には、任天堂特許についての今後のライセンス料金が含まれています。
その他の和解条件については、秘密保持義務により非公開です。
株価は上昇しなかった
任天堂との件はコロプラの株価に大きな影響を与えていたため、「和解の成立で株価が上昇するのでは?」と思った投資家もいるでしょう。
しかしこの和解は、コロプラの株価にほとんど影響を与えませんでした。
2021年末から、コロプラの株価は和解以前よりも下がっていき、2022年は600円台で推移しています。
コロプラの今後の期待要素
コロプラの株価が今後上がっていきそうな要因をまとめました。
新たなヒット作が生まれる可能性
今までにたくさんのヒットタイトルをリリースしてきたコロプラ。
特に「白猫」シリーズはネームバリューがあり、根強い人気です。
2022年10月26日にリリースされた「白猫GOLF」は、早くも全世界試合人数が1,000万人を突破したと2022年11月1日に発表されました。
白猫GOLFはセールスランキング上位にも入ってきており、今後に期待できるタイトルです。
新たなヒット作が生まれ、売り上げも堅調に維持できれば、株価回復の可能性があるでしょう。
任天堂との騒動は解決済み
任天堂との件は、2021年に解決しています。
今までは「コロプラに投資したいけど、任天堂との出来事がどう影響してくるか分からない」と躊躇していた投資家も多いでしょう。
しかし今後の不安要素がひとつ解消され、今までよりコロプラに投資しやすい環境が整ったといえます。
コロプラの今後の不安要素
コロプラの株価が今後下がっていきそうな要因をまとめました。
かつてのような人気タイトルがない
ドラクエウォークや白猫GOLFが好調とはいえ、「ディズニーツムツム」「白猫プロジェクト」といった看板タイトルの売り上げは落ちています。
ドラクエウォークや白猫GOLFはまだ、ディズニーツムツムや白猫プロジェクトに代わる存在にはなれていません。
現在はスマホゲーム業界の競争がかつてより激しくなっており、その中で新しいゲームタイトルの知名度を上げていくのは困難でしょう。
今後も新しい人気タイトルを生み出し続け、売り上げを維持していくのは、簡単なことではありません。
中国スマホゲームの台頭
近年、mihoyoやyostarといった中国企業のスマホゲームが、日本でも大きな支持を得ています。
- mihoyo…「原神」「崩壊学園」など
- yostar…「アズールレーン」「アークナイツ」「雀魂」など
「グラフィックが綺麗」「無料でプレイできるとは思えないほどボリュームがあって豪華」と評判です。
コロプラのような日本のスマホゲーム会社にとって、今後の脅威となってくるでしょう。
中国企業に対抗できるようなクオリティのグラフィックや、充実したゲーム内容が求められています。
株主優待がなく配当金は減配
コロプラには株主優待がありません。
次のような観点から、今後も株主優待を実施する予定はないと示しています。
- 海外の株主が一定数いるため、日本でしか利用できない株主優待を配布すると不平等になってしまう
- ゲーム内アイテムを株主優待にする方法もあるが、コロプラのゲームをやっていない株主が恩恵を受けられない
株主優待を目的に長期保有する投資家がいない、ということです。
業績と連動して配当金も減っています。
業績が悪い・今後の見通しが良くないときに、手放しやすい銘柄と言えるでしょう。
関連記事:スタバの株主優待は復活する?廃止の理由とカフェ関連株の株主優待一覧
ゲームファンからの支持を取り戻せるか
ゲームやアニメの関連銘柄は、「この会社のファンだから株を買う」という人も多いです。
しかしコロプラは、2018年・2019年と連続して、訴訟やセールスランキング操作といった出来事がありました。
今後、ゲームファンとの良い関係作りができるかどうかも、非常に重要なポイントです。
魅力的なゲームを作り続け、真摯な姿勢で運営していくことで、自社ゲームのファンを増やしていくことが期待されます。
コロプラの株は買うべき?
コロプラの株価は、以前よりもかなり値下がりしています。
ドラクエウォークや白猫GOLFの今後に期待できる今、安いタイミングでコロプラの株を買おうかと考えている人もいるでしょう。
しかしドラクエウォークや白猫GOLFは、ディズニーツムツムや白猫プロジェクトの代わりとなるようなコンテンツ力をまだ獲得していません。
業績も以前より苦しい状況です。
コロプラの株を買うなら、今後もっと期待できるゲームがリリースされるタイミングを待つべきでしょう。
関連記事:権利落ち日とは?配当金や株主優待を確実に受け取る方法
コロプラはやばいと言われているが今後のヒット作次第
コロプラは業績悪化や任天堂からの訴訟により、「やばい」と言われていました。
しかし任天堂とはすでに和解しています。
加えて2019年以降は、ドラクエウォークが好調です。
しかし業績は、最盛期と比較して大きく落ち込んでいます。
今後さらなる大ヒット作が生まれ、業績がもっと回復すれば、株価も上がるかもしれません。
しかし現時点では、本当にそのような新作ゲームが誕生するか分からない状況です。
今後の新作リリース予定・アプリの売り上げ・決算情報をしっかりチェックし、本当に期待できそうか見定める必要があります。
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