野村證券の「まめ株」とはどんなサービスか、通常の株取引との違いは何か解説します。
記事の後半では、他社の単元未満株取り扱いサービスと比較して「まめ株」は優秀なのか、一覧表で徹底検証しました。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
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まめ株とは?
まめ株とは、100株に満たない単位で取引される株式のこと。
一般的な金融用語ではなく、「単元未満株」に対する野村證券だけの呼称です。
株は通常、100株単位で売買されます。
たとえば1株5,000円の株を買うには、最低でも50万円必要です。
しかし「何十万円もかけて株を買うのは怖い」「そんなに資金を用意できない」という方も多いでしょう。
まめ株(単元未満株)の取り扱いがある野村證券なら、1株単位から売買できます。
少額投資したいときにおすすめの取引方法です。
関連記事:野村證券の評判・口コミまとめ!実際のメリット・デメリットを解説
まめ株と通常株取引の違い!デメリットも多いって本当?
まめ株と通常の株取引の違いは、以下の通りです。
- 買付できない銘柄がある
- 通常とは異なる手数料が適用される
- 注文できる時間も通常とは異なる
- 注文は成行注文のみ
- 信用取引ができないため空売り不可
- 大きなリターンは狙えない
- 株主総会には出席できない
1株から売買できる「まめ株」は一見魅力的ですが、デメリットも多いので、よく確認しておきましょう。
1.買付できない銘柄がある
「まめ株」で買付できるのは、東京証券取引所と名古屋証券取引所に上場している全銘柄です。
東証プライム、東証スタンダード、東証グロースなどの銘柄を売買できます。
福岡証券取引所・札幌証券取引所にしか上場していない銘柄は、売却こそできるものの、買付がおこなえません。
とはいえ大抵の企業は東京証券取引所に上場しているので、不便に感じることは少ないと想定されます。
しかしたとえば、CMでも有名なライザップグループ(2928)は、札幌証券取引所にしか上場していません。
優良銘柄を見つけても、購入のチャンスを逃してしまうおそれがあります。
2.通常とは異なる手数料が適用される
「まめ株」では、野村證券の国内現物株取引とは異なる手数料が適用されます。
株を買ったとき・売ったときの両方で、約定代金に対して1.1%(税込)の手数料が必要です。
通常の株取引の手数料は最安152円ですが、まめ株では最低550円と割高な設定になっています。
またまめ株は取引株数が少ない分、値上がり後に売却したときの利益も少なくなってしまいがちです。
利益に対して手数料が相対的に高くなってしまうので、覚えておきましょう。
関連記事:野村証券の手数料は高い?ネットと店舗の違いや他社との比較
3.注文できる時間も通常とは異なる
まめ株は注文できる時間と約定が成立するタイミングも、通常の国内株取引とは異なります。
注文時間は以下の通りです。
注文日 | 注文できる時間 |
---|---|
平日 | 6:00~14:00 15:35~翌日2:00 |
土・日・祝 | 6:00~翌日2:00 |
リアルタイムで取引ができない
「まめ株が注文できる時間って、マーケットは閉まってるはずじゃない?」と疑問に思われた方もいるでしょう。
まめ株はそもそも、リアルタイムで取引ができないのです。
注文から取引成立までにラグがあります。
約定が成立するタイミングは、以下の通りです。
- 平日6:00~14:00に注文した…その日の終値で取引が実行される
- 平日15:35~翌日2:00、もしくは土・日・祝に注文した…翌営業日の終値で取引が実行される
マーケットが開場する前、もしくはマーケット会場中に注文を出すと、その日の終値で取引が実行されます。
マーケットが閉まったあとに注文を出した場合、翌営業日の終値での取引です。
思わぬ価格で約定するリスクがあります。
4.注文は成行注文のみ
まめ株は成行注文しかできません。
買いたい・売りたい価格を指定せずに、注文を出すこと。
希望する売買価格を指定して発注する「指値注文」はできないので、注意しましょう。
先ほどもご説明した通り、想定とは異なる価格で約定する可能性があります。
5.信用取引ができないため空売り不可
まめ株は信用取引に対応していません。
そのため、空売りで利益を狙うのは不可能です。
信用取引とは、証券会社に一定のお金や持っている株を担保として預ける代わりに、お金や株式を借りて売買する株取引のこと。
「空売り」では保有していない株を証券会社から借りて売り、その後に買い戻して利益を得るとともに、株を返却します。
空売りを利用すれば、FXのように下げ相場でも利益を狙うことが可能です。
しかしまめ株では、株価が下がっているときに利益を狙うのが難しくなります。
6.大きなリターンは狙えない
まめ株は100株保有したときより、得られるリターンは少なくなってしまいます。
- 受け取れる配当金が少なくなる
- 売却益が少なくなる
配当金は「1株〇円」で計算されます。
保有株数が減れば、その分受け取れる配当金も、当然少なくなってしまうというわけです。
また買付時と売却時の差額で得られる利益も、保有株数が少ない分減ってしまいます。
7.株主総会には出席できない
100株未満の保有では、株主総会に出席する権利が得られません。
株主総会で質問したり、経営陣に意見を言ったりすることもできないので、気をつけてください。
しかし「仕事が忙しくて株主総会に行けない」「面倒くさい」という人にとっては、大きなデメリットにならないでしょう。
関連記事:小型株とは?バリュー投資で一攫千金を狙う!おすすめの銘柄を厳選紹介
まめ株の4つのメリット
先にデメリットからご紹介してきましたが、まめ株にはメリットもあります。
- 値下がり時の損失をおさえられる
- 手が届かない高級銘柄を売買しやすくなる
- 1株だけでも配当金は受け取れる
- 1株だけで株主優待がもらえる企業もある
1.値下がり時の損失をおさえられる
まめ株では大きなリターンを狙えない代わりに、値下がり時の損失もおさえられます。
ローリスク・ローリターンな投資方法です。
「まずは少額から投資を始めたい」という初心者におすすめとなっています。
まめ株で株取引の流れを理解できたら、ゆくくゆくは100株ごとの取引にも挑戦する…という風に、段階的なステップアップも可能です。
2.手が届かない高級銘柄を売買しやすくなる
1株あたりの株価が数万円の超高級株も存在します。
たとえば任天堂の株はとても人気があり、株式分割がおこなわれるまでは1株5万円台という驚異的な価格で取引されていました。
1株5万円の株を100株単位で買おうとすると、最低でも500万円必要です。
優良企業だとしても、「ここまでのお金を払うのは怖い」「資金がなくて手が出せない」と躊躇してしまいますよね。
しかしまめ株なら、このような高級銘柄も売買しやすくなります。
無理のない資金で優良企業に投資できるのが魅力です。
3.1株だけでも配当金は受け取れる
100株未満の保有だと株主総会には出席できませんが、配当金は受け取れます。
配当金は1株あたり数十円程度であることが多いです。
たとえば1株あたりの配当金が70円の株を50株保有していた場合、受け取れる配当金は3500円。
積み重なれば大きな金額になっていきます。
4.1株だけで株主優待がもらえる企業もある
大半の企業は、100株以上保有している株主にのみ、株主優待を配っています。
しかし中には、1株だけの保有で株主優待がもらえる企業もあるのです。
このような企業のまめ株を、優待目的で保有してもいいでしょう。
具体的な銘柄はこちらの記事でご紹介しています。
関連記事:1株から株を買うメリット・デメリットは?最低何円で買える?
1株で隠れ優待が受け取れる銘柄も!
また1株だけの保有でも、送られてくるアンケートに回答すると500円分の商品券がもらえるような、「隠れ優待」の対象になっていることがあります。
たとえばセブンイレブンで有名なセブン&アイ・ホールディングスは、株主優待を実施していません。
しかし1株だけの保有でも、アンケートに回答すると、隠れ優待が受け取れると言われています。
関連記事:セブンイレブンに株主優待はある?隠れ優待は?大手コンビニ3社の株主優待を比較
しかし隠れ優待は、毎年実施されると保証されているわけではありません。
予告なく中止・変更になる場合があるので、注意してください。
関連記事:株主優待が1株(端株)でもらえるオススメ隠れ優待8選
野村證券のまめ株を他社の単元未満株と比較
単元未満株の取引ができるのは、野村證券だけではありません。
他にも多くの証券会社が単元未満株を取り扱っています。
できるだけお得で便利な証券会社を利用したいですよね。
野村證券の「まめ株」のシステムを、他社の単元未満株取引サービスと比較してみましょう。
まめ株の手数料を他社と比較
各証券会社では単元未満株の約定代金に応じて、以下の通り手数料がかかります。
証券会社 | 名称 | 買付手数料 | 売却手数料 | 最低手数料 |
---|---|---|---|---|
野村證券 | まめ株 | 1.1% | 1.1% | 550円 |
SBI証券 | S株 | 実質無料 | 0.55% | 55円 |
auカブコム証券 | プチ株 | 0.55% | 0.55% | 52円 |
マネックス証券 | ワン株 | 無料 | 0.55% | 52円 |
SMBC日興証券 | キンカブ | 無料 | 0.5%※1 | – |
岡三オンライン | 単元未満株 | 約定代金による※2 | 約定代金による※2 | 220円 |
LINE証券 | いちかぶ | 無料※3 | 無料※3 | – |
※1 SMBC日興証券…手数料は無料ですが、売却時に0.5%のスプレッドがかかります。
※2 岡三オンライン…約定代金が2万円まで220円、3万円まで330円、10万円まで660円、以降10万円増加ごとに660円増加します。
※3 LINE証券…昼休み・夜間は、1.0%のスプレッドがかかります。
まめ株の手数料は他社より高い
野村證券では単元未満株(まめ株)を買うときも売るときも、最低550円の手数料がかかります。
しかしSBI証券・マネックス証券・SMBC日興証券・LINE証券では、買うときの手数料が無料です。
中でもLINE証券は、買付も売却も手数料無料と、かなりお得。
野村證券の「まめ株」は他社よりも多数料が高いため、「単元未満株をローコストで活発に取引したい!」という人には、あまりおすすめできません。
この後ご紹介しているような、手数料が安い証券会社での口座開設も検討してみてください。
まめ株の銘柄数を他社と比較
続いて単元未満取引ができる銘柄数を、証券会社ごとに比較してみましょう。
証券会社 | 名称 | 市場 | 銘柄数 |
---|---|---|---|
野村證券 | まめ株 | 東証・名証 | 全銘柄 |
SBI証券 | S株 | 東証 | 全銘柄 |
auカブコム証券 | プチ株 | 東証・名証 | 全銘柄 |
マネックス証券 | ワン株 | 東証・名証 | 全銘柄 |
SMBC日興証券 | キンカブ | 東証 | 全銘柄 |
岡三オンライン | 単元未満株 | 東証・名証 | 全銘柄 |
LINE証券 | いちかぶ | 東証 | 1,500銘柄 |
まめ株の銘柄数は充実している
野村證券のまめ株では、東京証券取引所もしくは名古屋証券取引所に上場している全銘柄を売買できます。
札幌や福岡の証券取引所にしか上場していない銘柄は、1株単位の買付に対応していませんが、これは他の大手証券会社でも同じです。
銘柄数の少なさで、他の証券会社より不利になることはありません。
LINE証券は単元未満株の売買で手数料がかからずお得だとご紹介してきましたが、銘柄数は上記の通り少ないです。
東証に上場している2,100社以上の銘柄のうち、1,500銘柄しか取引できません。
欲しい銘柄を単元未満株で売買できず、不便に感じる可能性があります。
関連記事:LINE証券の評判・口コミまとめ!メリット・デメリット完全ガイド
単元未満株の手数料が安いおすすめの証券会社2選
野村證券のまめ株は銘柄数こそ多いものの、手数料は高め。
活発に単元未満株を取引するとなると、コストがかさんでしまいます。
マネックス証券とSBI証券は、単元未満株取引の手数料が安いため、「単元未満株中心の取引を考えている」という人にもおすすめです。
それぞれ詳しくご紹介していきます。
マネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
マネックス証券は「ワン株」という単元未満株取引サービスを提供しています。
数ある単元未満株取引サービスの中でも、手数料が安く銘柄数も多い点が優秀です。
東証上場企業の単元未満株しか買付できない証券会社も多いですが、マネックス証券なら名古屋証券取引所にしか上場していない銘柄も買付できます。
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関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
SBI証券は口座数ナンバーワンのネット証券です。
単元未満株取引は「S株」という名称で提供しています。
手数料はマネックス証券とほぼ同じで、買付手数料0円、売却手数料0.55%です。
名古屋証券取引所にしか上場していない銘柄はS株で買付できませんが、東証に上場している全銘柄を売買できます。
SBI証券はIPO株や投資信託の銘柄数が多く、総合的に優秀です。
「100株単位の株取引やつみたてNISAなど、いろいろな投資にチャレンジしたい」という人におすすめとなっています。
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関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
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