世界のGDPランキングを見ることで、各国の経済状況を客観的に比較できます。
今回は世界のGDPランキングと、「国民1人あたり」のGDPランキングを一覧表でご紹介。
さらに今後世界のGDPランキングはどう変動していく見込みなのか、日本の立ち位置はどうなっていくのか、わかりやすく解説します。
ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルスが世界経済に与えた影響についても解説しているので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
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GDPとは?ランキングから分かること
GDP(Gross Domestic Product)とは、「国内総生産」のことです。
一定期間に国内で生み出された、商品やサービスによる儲けの総額によって算出されます。
その国が海外の店舗等で生み出した儲けは、GDPに含まれません。
GDPの調査は、各国の政府がおこなっており、日本では内閣府が3カ月ごとに調査しています。
人口が多い国や、強い産業を持っている国は、GDPが高い傾向です。
1国あたりのGDPと1人あたりのGDPの違い
GDPが高い国だからといって、必ずしも国民が豊かな生活を送れているとは限りません。
人口が多ければ国全体のGDPは自然と高くなりますが、1人あたりのGDPが低い場合、国民の生活レベルもそれほど高くないと言えます。
たとえば人口の多いインドはGDPランキング世界第5位ですが、まだ自動車が国民全体に普及しておらず、1人あたりのGDPは100位以内に入っていません。
反対に1人あたりのGDPが高ければ高いほど、国民も豊かな生活を送っている可能性が高いです。
とはいえ1人あたりのGDP=個人所得の指標ではなく、一概に言えない部分があります。
物価や為替レートも考慮
またGDPを比較する際は、その国の物価も考慮しましょう。
GDPが同じでも、物価が高い国より低い国のほうが、実質的な生産額や所得額は高いと言えますよね。
また、為替レートの影響も考慮した比較が必要です。
実際には国民の生活水準がほとんど変わっていないのに、為替レートの変動によって大きくランキング順位が下がる、ということも起ります。
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世界のGDPランキングTOP100
世界のGDPランキングTOP100は、以下の通りです。
順位 | 国・地域 | 単位(100万米ドル) |
---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 25,346,805 |
2 | 中国 | 19,911,593 |
3 | 日本 | 4,912,147 |
4 | ドイツ | 4,256,540 |
5 | インド | 3,534,743 |
6 | イギリス | 3,376,003 |
7 | フランス | 2,936,702 |
8 | カナダ | 2,221,218 |
9 | イタリア | 2,058,330 |
10 | ブラジル | 1,833,274 |
11 | ロシア | 1,829,050 |
12 | 韓国 | 1,804,680 |
13 | オーストラリア | 1,748,334 |
14 | イラン | 1,739,012 |
15 | スペイン | 1,435,560 |
16 | メキシコ | 1,322,740 |
17 | インドネシア | 1,289,295 |
18 | サウジアラビア | 1,040,166 |
19 | オランダ | 1,013,595 |
20 | スイス | 841,969 |
21 | 台湾 | 841,209 |
22 | ポーランド | 699,559 |
23 | トルコ | 692,380 |
24 | スウェーデン | 621,241 |
25 | ベルギー | 609,887 |
26 | アルゼンチン | 564,277 |
27 | ノルウェー | 541,938 |
28 | タイ | 522,012 |
29 | イスラエル | 520,703 |
30 | アイルランド | 516,146 |
31 | ナイジェリア | 510,588 |
32 | アラブ首長国連邦 | 501,354 |
33 | オーストリア | 479,815 |
34 | マレーシア | 439,373 |
35 | エジプト | 435,621 |
36 | 南アフリカ | 426,166 |
37 | シンガポール | 424,431 |
38 | フィリピン | 411,978 |
39 | ベトナム | 408,947 |
40 | デンマーク | 399,100 |
41 | バングラデシュ | 396,543 |
42 | 香港 | 369,486 |
43 | コロンビア | 351,281 |
44 | チリ | 317,594 |
45 | フィンランド | 297,617 |
46 | イラク | 297,341 |
47 | チェコ共和国 | 296,238 |
48 | ルーマニア | 286,509 |
49 | ニュージーランド | 257,211 |
50 | ポルトガル | 251,915 |
51 | ペルー | 240,346 |
52 | カタール | 225,716 |
53 | ギリシャ | 222,770 |
54 | ハンガリー | 197,813 |
55 | カザフスタン | 193,611 |
56 | アルジェリア | 193,601 |
57 | クウェート | 186,610 |
58 | モロッコ | 133,062 |
59 | アンゴラ | 124,862 |
60 | スロバキア共和国 | 118,434 |
61 | プエルトリコ | 116,762 |
62 | エクアドル | 115,462 |
63 | ケニア | 114,679 |
64 | オマーン | 110,127 |
65 | ドミニカ共和国 | 109,080 |
66 | エチオピア | 105,325 |
67 | グアテマラ | 91,019 |
68 | ブルガリア | 89,533 |
69 | ルクセンブルク | 86,898 |
70 | スリランカ | 81,934 |
71 | タンザニア | 77,506 |
72 | トルクメニスタン | 76,591 |
73 | ガーナ | 73,894 |
74 | アゼルバイジャン | 73,369 |
75 | ウズベキスタン | 73,060 |
76 | コートジボワール | 73,047 |
77 | パナマ | 70,492 |
78 | リトアニア | 69,782 |
79 | クロアチア | 69,459 |
80 | ミャンマー | 69,262 |
81 | コスタリカ | 65,314 |
82 | セルビア | 65,037 |
83 | コンゴ民主共和国 | 64,795 |
84 | ウルグアイ | 64,283 |
85 | スロベニア | 63,647 |
86 | ベラルーシ | 59,394 |
87 | ベネズエラ | 49,086 |
88 | リビア | 48,773 |
89 | ヨルダン | 47,745 |
90 | ウガンダ | 46,377 |
91 | カメルーン | 45,713 |
92 | チュニジア | 45,642 |
93 | バーレーン | 44,169 |
94 | パラグアイ | 41,935 |
95 | ボリビア | 41,032 |
96 | ラトビア | 40,266 |
97 | エストニア | 37,202 |
98 | ジンバブエ | 36,387 |
99 | ネパール | 36,315 |
100 | ブルネイ・ダルサラーム | 35,555 |
日本のGDPは世界第3位
日本のGDPランキングは、世界第3位です。
2010年までは世界2位だったものの、中国に抜かれて3位になったことをご存じの方も多いでしょう。
すでに中国と日本では、約4倍もの差が付いています。
今後も日本のGDPは、世界ランキングの中で下がっていく見込みです。
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1人あたりのGDPランキングTOP100
1人あたりの世界GDPランキングTOP100は、以下の通りです。
国全体のGDP÷人口で算出しています。
順位 | 国・地域 | 単位(米ドル) |
---|---|---|
1 | ルクセンブルク | 135,046 |
2 | アイルランド | 101,509 |
3 | ノルウェー | 99,481 |
4 | スイス | 96,390 |
5 | カタール | 84,514 |
6 | ブルネイ | 79,816 |
7 | シンガポール | 79,576 |
8 | アメリカ | 76,027 |
9 | アイスランド | 74,417 |
10 | デンマーク | 68,094 |
11 | オーストラリア | 67,464 |
12 | スウェーデン | 57,978 |
13 | オランダ | 57,836 |
14 | カナダ | 57,406 |
15 | イスラエル | 54,688 |
16 | フィンランド | 53,745 |
17 | オーストリア | 53,371 |
18 | ベルギー | 52,485 |
19 | ドイツ | 51,104 |
20 | マカオ | 50,578 |
21 | アラブ首長国連邦 | 50,349 |
22 | サンマリノ | 49,901 |
23 | 香港 | 49,850 |
24 | ニュージーランド | 49,847 |
25 | イギリス | 49,761 |
26 | フランス | 44,747 |
27 | アンドラ | 41,930 |
28 | 日本 | 39,243 |
29 | クウェート | 38,755 |
30 | プエルトリコ | 37,823 |
31 | 中華民国 | 36,051 |
32 | 韓国 | 34,994 |
33 | イタリア | 34,777 |
34 | マルタ | 33,094 |
35 | バハマ | 32,077 |
36 | キプロス | 30,663 |
37 | スロベニア | 30,159 |
38 | スペイン | 30,157 |
39 | バーレーン | 29,103 |
40 | アルバ | 28,863 |
41 | サウジアラビア | 28,759 |
42 | エストニア | 27,971 |
43 | チェコ | 27,609 |
44 | リトアニア | 25,015 |
45 | ポルトガル | 24,495 |
46 | オマーン | 23,416 |
47 | スロバキア | 21,665 |
48 | ラトビア | 21,311 |
49 | ギリシャ | 20,940 |
50 | ハンガリー | 20,336 |
51 | イラン | 20,261 |
52 | セントクリストファー・ネイビス | 19,117 |
53 | バルバドス | 19,110 |
54 | ポーランド | 18,506 |
55 | ウルグアイ | 18,083 |
56 | トリニダード・トバゴ | 17,921 |
57 | セーシェル | 17,693 |
58 | クロアチア | 17,338 |
59 | ガイアナ | 17,108 |
60 | アンティグア・バーブーダ | 16,085 |
61 | パナマ | 16,038 |
62 | チリ | 15,941 |
63 | ルーマニア | 14,825 |
64 | 中国 | 14,096 |
65 | モルディブ | 14,078 |
66 | パラオ | 13,706 |
67 | マレーシア | 13,268 |
68 | ブルガリア | 13,101 |
69 | ロシア | 12,575 |
70 | コスタリカ | 12,483 |
71 | トルクメニスタン | 12,274 |
72 | アルゼンチン | 12,187 |
73 | セントルシア | 11,364 |
74 | 赤道ギニア | 10,902 |
75 | グレナダ | 10,472 |
76 | ガボン | 10,390 |
77 | ドミニカ共和国 | 10,259 |
78 | メキシコ | 10,166 |
79 | ナウル | 10,005 |
80 | カザフスタン | 10,003 |
81 | モンテネグロ | 9,673 |
82 | セルビア | 9,503 |
83 | モーリシャス | 8,892 |
84 | セントビンセント・グレナディーン | 8,595 |
85 | ドミニカ国 | 8,575 |
86 | ブラジル | 8,570 |
87 | トルコ | 8,081 |
88 | ボツワナ | 7,519 |
89 | タイ | 7,449 |
90 | リビア | 7,197 |
91 | アゼルバイジャン | 7,165 |
92 | イラク | 7,038 |
93 | ペルー | 7,034 |
94 | 南アフリカ | 6,979 |
95 | 北マケドニア共和国 | 6,863 |
96 | コロンビア | 6,807 |
97 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 6,726 |
98 | エクアドル | 6,412 |
99 | ベラルーシ | 6,384 |
100 | アルバニア | 6,260 |
ヨーロッパ諸国は1人あたりのGDPが高い
ルクセンブルク、スイス、シンガポールなどのヨーロッパ諸国は、1人あたりのGDPが高いです。
しかしこれらの国は、税金が完全に免除されていたり、極端に軽減されていたりする、いわゆる「タックス・ヘイブン」の地域。
これらの国の人々が、皆いわゆる「お金持ち」的な暮らしをしているかというと、そうとは言えません。
たとえば1人あたりのGDPがもっとも高いのは、外国の金融機関を誘致することで発展を遂げたルクセンブルクで、「世界でもっとも豊かな国」と表現されることも。
しかし隣国からの労働力で経済を回している、国土が佐賀県程度しかなく人口も約60万人と少ない、といった理由でランキング1位になっている事情があります。
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今までとこれからのGDPランキングの傾向
世界のGDPランキングは今後、次のように変動していくと予想されています。
新型コロナウイルスの影響と中国の成長
近年は新型コロナウイルスの影響によって、世界的に経済成長が停滞しました。
日本、米国、ヨーロッパ圏、インドといった主要国の経済成長率が総じてマイナスになった中、唯一+2.3%の成長を維持したのが中国です。
中国は人口が多く、人件費の安さを強みとしています。
海外から原材料や部品を輸入し、国内の工場で加工して輸出する、加工貿易が得意です。
中国の経済成長率は少しずつ落ち着いてきており、今後はアメリカとの貿易摩擦の悪影響を受けることが予想されています。
しかし、今後も米国やヨーロッパ諸国と並んで、世界経済を牽引していく存在であることに変わりはないでしょう。
2030年頃には中国がアメリカを抜き、GDPランキング世界第1位になると予想されています。
インドのGDPがアメリカを抜く!?
また、近年成長がめざましいのは、インドです。
今後の経済成長率は世界ナンバーワンとも予想されています。
2050年にはアメリカを抜き、中国に次ぐ世界2位の経済大国になると言われているほどです。
その要因は、世界第2位の人口の多さや、優良企業の存在、消費拡大が見込まれていること。
インドは現在の世界GDPランキングこそ第5位ですが、1人あたりのGDPランキングでは100位以内に入っていません。
まだ国民の生活レベルは低く、冷蔵庫、エアコン、乗用車の普及率は35%未満です。
今後中間所得層の増加に伴って消費が拡大する、大きな可能性を秘めています。
日本は本当に豊かな国?
日本の世界GDPランキングは第3位です。
しかし1人あたりのGDPランキングは28位。
これを見ると、「日本は本当に豊かな国なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
先述した通り、1人あたりのGDPランキングと国民の生活水準は、必ずしもイコールではありません。
日本は依然として、世界で有数の豊かな国です。
日本のGDPの今後の見通し
しかし今後、世界経済における日本の存在感は、著しく低下すると予想されています。
というのも、日本は少子高齢化の影響を受けることが避けられないからです。
世界のGDPにおける日本の割合は、1980年の時点で9.8%でした。
1995年には17.6%まで高まったものの、2010年には8.5%になり、その後も低下を続けています。
このまま推移すると、2040年には3.8%、2060年には3.2%まで低下する見込みです。
現在日本では、このような現状の予測を打破する努力が求められています。
日本独自の文化を活かす、質の高いモノ作りの技術を活かすなどの工夫によって、活路を見出したいところです。
ロシアのウクライナ侵攻の影響
ロシアのウクライナ侵攻は、世界経済にも大きな悪影響を及ぼしました。
特に深刻なのが、ロシアが大きなシェアを持っていた原油・天然ガス・希ガス(半導体の原料)・肥料・穀物への影響です。
今後、世界的な貧困の拡大につながる可能性が懸念されています。
人口増加と少子高齢化の影響
当然ながら働き手となる人口が多い国ほど、GDPの面では有利です。
日本は少子高齢化の影響で、今後GDPの停滞が予想されるとご説明しましたが、それはヨーロッパ圏の国々も同じです。
反対に、人口の増加しているブラジル、インドネシア、中国、インドなどの経済発展が予想されています。
投資において新興国銘柄は安定性に欠けるとされていますが、同時に高いリターンが狙えるので、リスク管理をしつつ保有してみてもいいでしょう。
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先進国のGDPのランキングは苦戦が予想される
新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻の影響で、各国の経済状況は冷え込んでいます。
しかし、GDPのランキング自体が大きく変動したわけではありません。
今後はインド、ブラジル、インドネシアといった、若年層の人口が多い国々が経済発展していくと予想されています。
反対に日本やヨーロッパの先進国は、少子高齢化の影響で、世界的な存在感を低下させていく見込みです。
今後の世界経済の状況を予測し、投資やビジネスに役立ててみてください。
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