株式投資には、同じ銘柄をずっと保有し続ける「長期投資」と、短いスパンで買った銘柄を売却する「短期投資」があります。
短期投資は長期投資より資金効率がよく、うまくいけば大きく稼ぐことも可能な方法です。
しかし、株の短期投資に興味はあっても、株の短期売買に向いている銘柄の選び方がわからない方も多いでしょう。
そこで、デイトレードやスキャルピングといった株の短期投資におすすめな銘柄の選び方をご紹介します!
短期で上がる割安株や成長株の見つけ方もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
また、「株の短期投資は初心者におすすめできない」と言われることが多い理由や、どんな人が株の短期投資に向いているのかといった点についても解説します。
関連記事:株の買い方・売り方とおすすめのタイミング!初心者向けにわかりやすく解説
株の短期投資とは?3つのやり方
株の短期投資とは、短期的な株価の値動きを予想して、利益を得る取引手法です。
短期投資のやり方は、「デイトレード」「スキャルピング」「スイングトレード」の3種類に分けられます。
やり方 | 株の保有期間 |
---|---|
デイトレード | 1日以内 |
スキャルピング | 数秒~数分 |
スイングトレード | 数日~数週間 |
デイトレード
株のデイトレードとは、名前の通り1日の間に売買を完結させる手法です。
その日のうちに、株を買った価格よりも高い価格で売却して利益を得ます。
翌日以降に買った株を持ち越さないのが特徴です。
株価の値動きを分析するスキルや、リスクを管理する能力が求められます。
スキャルピング
次に「スキャルピング」についてです。
これは非常に短い時間、数秒から数分の間に小さな利益を狙って、株取引を繰り返す手法を指します。
スキャルピングは反応速度や取引の回数が求められます。
テクニカルな部分が重要です。
関連記事:株のスキャルピングとは?勝てない理由とおさえておきたいコツを解説
スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間の期間を見越しての取引を指します。
短い期間でのトレンド(相場が上昇しているのか、下降しているのか)を見極め、その波に乗る形が基本です。
トレンドの判断能力や、適切なタイミングで購入・売却する能力が求められます。
関連記事:スイングトレードにおすすめの銘柄の探し方!スクリーニングやテクニカル分析を活用
株の短期投資におすすめな銘柄の選び方
株の短期投資におすすめな銘柄の選び方として、2つのポイントが挙げられます。
それは「流動性が高いこと」、「ボラティリティ(値動き)が大きいこと」です。
流動性が高い
株の短期投資では、流動性の高い銘柄がおすすめです。
流動性の高い銘柄とは、売りたいときにスムーズに売ることができる銘柄の特性を指します。
株式市場での取引金額が多く、活発に取引されている銘柄は、この条件に当てはまりますよ。
マイナーな銘柄より、人気の銘柄を選ぶようにしましょう。
ボラティリティ(値動きの幅)が大きい
「ボラティリティ(値動きの幅)が大きい銘柄」とは、1日の間に株価が大きく上下する銘柄を指します。
株の短期取引で利益を追求する場合、株価の値動きの差額を狙って取引を行います。
そのため、ある程度大きな値動きをする銘柄が適しているというわけです。
関連記事:コロナ後に伸びるおすすめの株とは?期待の注目銘柄8選を紹介
短期で上がる株の選び方
「1日で株取引を完了させるつもりはないけど、短期で値上がりしそうな株に投資して売却益を狙いたい」と考えている方もいるでしょう。
短期で上がる可能性のある株の選び方には、主に「IPO株」、「成長株」、「割安株」の3つのタイプが考えられます。
これらの銘柄選びのポイントを踏まえ、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて適切な銘柄を選ぶことが、短期間での利益を追求する上での鍵です。
IPO株
IPO株とは、企業が新たに証券市場に上場する際の株式です。
IPO銘柄は、短期間での高騰が期待されることが多い特徴を持ちます。
ただしIPO銘柄を買えるかどうかは抽選なので、必ず買えるわけではありません。
IPO銘柄の取り扱い数や抽選方法は、証券会社によって差があるため、IPO銘柄を狙うなら証券会社選びも重要です。
例としてSBI証券は、多くのIPO銘柄を取り扱っています。
関連記事:IPO株は儲かるって本当?リスクや仕組みも徹底解説
成長株
成長株とは、その企業の売上や利益が将来的に大きく伸びることが期待される銘柄を指します。
成長株を見分ける際のポイントとして、ROEが10%以上、時価総額が1,000億円以下、そして売上高の伸び率が過去3年で15%以上といった基準が挙げられます。
このような指標を基に、将来性のある企業を見極めることが肝心です。
割安株
割安株は、実際の価値に比べて市場での評価が低く、株価が安い銘柄を指します。
割安度を判断する際の指標として、PBRが1倍以下、PERが10倍以下、そして配当利回りが3%以上といった数値を参考にすることが一般的です。
これらの数値をもとに、本来の価値よりも安く取引されている可能性のある銘柄を見つけ出すことができます。
関連記事:バリュー株(割安株)のおすすめ銘柄6選!長期投資に適した高配当銘柄を厳選
関連記事:割安成長株は投資のいいとこ取り?見つけ方の解説&おすすめ銘柄5選を紹介
株の短期投資はおすすめ?メリット3選
そもそも株の短期投資はおすすめなのか、気になっている方も多いでしょう。
株の短期投資のメリットを3つご紹介します。
- 資金効率がいい
- 1回取引あたりのリスクが小さい
- 企業分析がそれほど必要ない
①資金効率がいい
短期投資を選択すると、短期間でたくさんの取引が可能になります。
小さな元手からでも、どんどん利益を積み重ねられるため、長期投資より資金効率がいいです。
失敗した場合も、すぐに取り返せる機会が生まれます。
何度も試行錯誤を繰り返すことで、取引スキルの向上にもつながるでしょう。
②1回取引あたりのリスクが小さい
1回の取引におけるリスクは、短期売買だと比較的抑えられます。
特に日本の株市場においては、1日の値動きに上限・下限(ストップ高・ストップ安)が設けられており、突然の大きな損失を避けられる仕組みがあります。
これは、特定の日に株価が大きく動くことを制限しており、損失が予測可能な範囲に留まるため、投資家の精神的な安定も促されます。
③企業分析がそれほど必要ない
短期的な株価の動きを中心に投資判断を下すため、短期売買にはテクニカル分析が主に用いられます。
テクニカル分析とは、過去の株価の動きを元に、将来の予測を立てる方法です。
一方で、企業の実態を深く掘り下げて分析する方法を、ファンダメンタルズ分析と呼びます。
デイトレードやスキャルピングだと、ファンダメンタルズ分析はそれほど必要ありません。
情報収集や分析の手間を省くことができます。
関連記事:おすすめの割安株ランキングTOP10!PER・PBRが低い銘柄はどれ?
株の短期投資はおすすめしない?デメリット3選
株の短期投資は、初心者に不向きだと言われることも多いです。
株の短期投資のデメリットや、「短期売買は難しいからおすすめしない」と言われる理由を、3つご紹介します。
- 日中仕事をしている人はスキャルピングやデイトレができない
- スキルがないと安定したリターンを期待できない
- HFT業者が多い
①日中仕事をしている人はスキャルピングやデイトレができない
短期投資、特にスキャルピングやデイトレードは、日中のリアルタイムの株価変動に連動して迅速な取引を行う必要があります。
チャートを絶えず監視し、適切なタイミングで売買することが求められます。
そのため、日中働いているサラリーマンや多忙な人がスキャルピングやデイトレードをするのは、非常に困難です。
つまり、この手法は専業として株取引を行う人たちや、日中に時間が取れる人たち向けの投資方法と言えるでしょう。
②スキルがないと安定したリターンを期待できない
株式投資で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。
インカムゲインとは、投資資産を保有することで得られる収入です。
例えば、株式投資であれば配当金、株主優待がインカムゲインに該当します。
一方キャピタルゲインとは、投資資産を売却することで得られる利益です。
例えば、株式投資であれば株価が上昇して売却した時に得られる利益がキャピタルゲインに該当します。
短期投資ではインカムゲインが得られない
株の長期投資ならインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られますが、短期売買で配当金や株主優待などのインカムゲインを期待することは難しいです。
そんな中で株の売却益を安定して狙うためには、テクニカル分析をはじめとしたスキルが必要となります。
適切な技術や知識を持たないまま市場に参入すると、資産を失うリスクが高まるでしょう。
長期投資より勉強が必要です。
初心者が簡単に参入できるわけではなく、ハードルは高いと言えます。
③HFT業者が多い
現在、HFT(高速取引)業者が株式取引の大部分を占めています。
この業者たちは、通常の投資家よりもはるかに高速で注文を出せるため、通常の投資家に比べて有利に取引を行うことができます。
このような市場状況で、人間の投資家が短期投資で利益を上げるのは、難しいと言えるでしょう。
関連記事:テクニカル分析におすすめの指標6選&覚えやすいチャートパターン3選!初心者にも人気のやり方は?
株の短期投資がおすすめな人・おすすめではない人
短期投資は、株市場における特定の戦略の一つですが、すべての人に合っているわけではありません。
それでは、どのような特徴を持つ人に短期投資が適しているのか、または適していないのかを見てみましょう。
株の短期投資がおすすめな人の特徴
これらの特徴を持つ方々は、短期的な株取引に向いている可能性が高いです。
- 利益を迅速に実現させたい方
- チャート解析に自信がある方
- 資金の回転率を上げ、効果的に投資したい方
- 取引の活動性が高く、その過程を楽しむ方
- 株価の動きを頻繁にチェックしたい方
- トレード結果に即座にフィードバックを求める方
株の短期売買がおすすめではない人の特徴
これらの点が当てはまる方は、中長期的な視点での投資も検討してみてください。
たとえばつみたてNISAや、高配当株などに目を向けると良いでしょう。
- 複利を利用して安定的に資産を増やすことを望む方
- 配当や優待を通じて継続的な収益を追求する方
- 日常の忙しさから、株の動きを頻繁に追えない方
- 株価の変動に対して感情的になりたくない方
- 株投資を通して、広い範囲の経済知識を習得したい方
関連記事:IPO投資におすすめの証券会社を紹介!抽選方法や主幹事実績も徹底比較
関連記事:株式投資の始め方!必要資金や買い方・売り方を初心者向けにわかりやすく解説
株の短期投資初心者が避けるべき2つのこと
短期投資初心者にあまりおすすめできない、最初は避けるべき戦略をご紹介します。
- ナンピン買い
- 逆張り
初心者が短期投資を始める際には、自身のリスク許容度や投資目的を明確にし、適切なリサーチと計画を持って取り組むことが大切です。
高リスクの戦略は、経験を積んでから考慮すると良いでしょう。
1. ナンピン買い
ナンピン買いとは、株価が下がったときに、同じ銘柄を平均取得単価を下げる目的で追加購入する行為です。
この方法は、投資初心者にはリスクが高いとされています。
なぜなら、株価がさらに下落する可能性が常にあるため、予想以上の損失を招くリスクが増大するからです。
ナンピン買いをする際には、十分なリサーチと計画、資金管理が必要となります。
2. 逆張り
逆張りとは、市場の大勢に逆らって取引をする手法を指します。
例えば、株価が上昇トレンドの最中に売り、下降トレンドの最中に買うことです。
市場のトレンドを予測することは難しく、逆の動きを取ることで大きな損失を被る可能性が高まります。
初心者のうちは、まず市場の流れを理解し、それに沿った投資(順張り)を行うことがおすすめです。
株の短期投資におすすめの証券会社3選
株の短期投資では、長期投資より取引回数が多くなります。
手数料がかさみやすいので、手数料の安いネット証券がおすすめです。
ネット証券は取引ツールも充実しているため、必要な情報を確認しながら素早く注文を出すことが求められる短期売買に向いています。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
楽天証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,634件 |
株式以外 | FX CFD ETF 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短2営業日後 |
特徴 | 手数料が安い! 取扱商品が豊富! 初心者にも使いやすい! |
楽天証券は、その名の通り楽天グループの一員として広く知られています。
取引手数料の低さはもちろん、使いやすい取引ツール「マーケットスピード」の提供も特徴。
さらに楽天ポイントが貯まるため、株取引をしながら他の楽天サービスとのシナジーを楽しむこともできます。
\新規口座開設数No.1!/
関連記事:楽天証券の評判・口コミまとめ!ポイント投資や手数料も解説
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
国内最大級のネット証券として、多くの投資家から支持を受けているのがSBI証券です。
低コストな取引が可能で、専門家による情報提供や独自の投資ツールが魅力。
初心者から上級者まで、多様なニーズに対応したサービス展開を行っています。
\口座数&総合力No.1!/
関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
マネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
マネックス証券は、米国株投資や情報力が強みのネット証券です。
「銘柄スカウター」で詳しい企業分析ができるので、短期投資にも長期投資にも適しています。
手数料の面でも競争力があり、さまざまなキャンペーンやサービスを展開していますよ。
\無料ではじめる!/
関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
株の短期投資に関するQ&A
株の短期投資に関する、よくある疑問に回答します。
- 投資初心者に株の短期投資はおすすめできない?
- 株以外で短期投資をする方法は?
- 株の短期投資でもNISAは使える?
Q.投資初心者に株の短期投資はおすすめできない?
株の短期投資はリスクが伴うため、経験や知識が必要とされる分野です。
初心者の場合、短期取引の動きについていくのは難しく、冷静な判断を下すのが困難になることもあります。
そのため、初心者には長期投資のほうがおすすめと言えるでしょう。
Q.株以外で短期投資をする方法は?
FXや暗号資産(仮想通貨)などの他、ブル型・ベア型の投資信託や、レバレッジETFが考えられます。
しかし、これらはハイリスク・ハイリターンの性質を持つ投資対象です。
特に初心者は取引特性を深く理解することが必要となります。
Q.株の短期投資でもNISAは使える?
はい、NISAを利用して株の短期投資ができます。
ただし、一度活用した非課税枠は再利用不可です。
非課税で投資できる金額には、限りがあります。
これらの点を理解した上で利用することが大切です。
まとめ~株の短期投資ではタイミングと銘柄選びが鍵!~
株の短期投資は、タイミングと銘柄選びが鍵となります。
短期で上がる銘柄を見極めるためには、市場のトレンドやニュース、業績予想などの情報を日々チェックすることが必要です。
しかし、短期投資はリスクも高く、すぐに大きな損失を出す可能性もあるため、十分な知識と経験が求められます。
一方で、適切な銘柄選びと取引戦略を持てば、短期間での高いリターンも期待できます。
短期投資に挑戦する際は、自身のリスク許容度を確認し、冷静な判断を心がけることが大切です。
関連記事:IPO株の買い方を分かりやすく解説!買う際のポイントやおすすめ証券会社
コメント