毎月少額から金を購入できる純金積立ですが、「純金積立はやめとけ」という意見も多いです。
投資に「やめとけ」という意見は付き物。
しかし純金積立の場合、株や投資信託よりもネガティブな声が目立ちます。
金は安全性が高い資産であるにも関わらず、なぜ「純金積立はやめとけ」と言われているのでしょうか。
純金積立のメリット・デメリットや、純金積立をおすすめしない人の特徴をご紹介します。
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「純金積立はやめとけ!」と言われる5つの理由
「純金積立はやめとけ!」と言われてしまうのは、やはりデメリットが多いからです。
特に保有コストの高さが気になります。
具体的に見ていきましょう。
①手数料が高い
純金積立では、毎月積立するごとに1.5~5%前後の手数料がかかります。
株式投資では1日100万円以下までの取引なら手数料無料としている証券会社が多いですが、純金積立は割高です。
金の価格が上昇しても、手数料で相殺されてしまったり、むしろマイナスになったりする可能性があります。
具体的な手数料の金額は毎月の積立金額や、証券会社によって異なるので、確認しておきましょう。
②利息・配当金・株主優待がない
定期預金であれば利息、株式投資であれば配当金や株主優待が得られます。
しかし純金積立では、このようなインカムゲインがありません。
資産を持っているだけで得られる利益のこと。
株式投資の場合、企業が生んだ利益を、配当金として株主に分配します。
いっぽう金は、自分自身が利益を生むことはないため、インカムゲインもありません。
「金先物」「金ETF」「金の延べ棒(インゴット)」なども同じく、保有しても継続的に利益が得られない資産です。
関連記事:高配当株で配当金生活も夢じゃない!高配当株の選び方&儲けワザ
③スプレッドが他の投資よりも広い
スプレッドとは、購入価格と買取価格の差額です。
この差額が小さければ小さいほど、お得になります。
たとえばFXのドル円では、スプレッドを0.2銭に設定している証券会社が多いです。
しかし純金積立のスプレッドは1.5%前後と、他の投資よりも割高に設定されています。
取引にかかるコストの大きさがデメリットです。
④相対的に価値が決まる
企業が発行する株式は、業績が悪くなれば値下がりし、逆に好調なら値上がりします。
いっぽう金の実質的な価値は、基本的に変わりません。
しかしインフレで貨幣の価値が下がったり、不況で株価が暴落したりすると、実物資産である金は価値が上昇する傾向にあります。
他の資産の価値によって、相対的に価値が変化するのです。
利益を得るために純金積立をする投資家は少なく、貨幣や株の価値が暴落したときの備えとして考えられています。
メインの投資先としては向いていません。
⑤値動きがないと損をする
毎月手数料やスプレッドを負担しなくてはならない純金積立では、価格が下がらなくても、横ばいなら損をしてしまいます。
たとえば個別株なら、1度購入したあとは手数料がかからず配当金や株主優待がもらえるため、価格が横ばいでもお得です。
純金積立ではこのような配当金や株主優待がありません。
手数料を上回る値上がりがない限り、毎月コストをかけて保有する必要があります。
積立を一時停止することもできますが、その間は口座管理手数料が必要です。
純金積立にメリットはある?他の金融商品との違い
「やめとけ」と言われるほどデメリットが多い純金積立ですが、次のようなメリットもあります。
価値がなくならずリスク回避になる
株は企業が倒産するリスクを抱えています。
通貨も発行している国がなくなった場合、無価値になってしまうので、100%安全な資産ではありません。
しかし金は、金そのものに価値がある実物資産です。
世界中で高い価値があると認められています。
国や企業の存続に価値が左右されません。
また、金の埋蔵量には限界があります。
紙幣は大量発行されると価値が暴落し、インフレに陥りますが、限られた資産である金は市場に出回りすぎて暴落するリスクがありません。
すでに株や債券などの資産を保有している人は、値動きが異なり不況に強い金にも分散投資することで、さらなるリスク軽減の効果が得られるでしょう。
関連記事:分散投資は初心者におすすめ!おさえておきたい投資のキホン
現物を持つ必要がない
金そのものを購入する純金積立。
現物の管理は運営会社がおこなってくれます。
貸金庫を借りたり、自宅のセキュリティに気を配ったり、盗難リスクに怯えたりする必要がありません。
金投資の中でも気楽におこなえます。
少額から始められる
純金積立では、毎月1,000円から金を購入できます。
金の延べ棒を購入する金地金投資では、最小単位の5gでも3万円前後の資金が必要です。
さらに500g未満の金の延べ棒には特殊な加工が必要なため、追加で手数料がかかってしまいます。
かといって追加手数料が必要ない単位まで買おうとすると、数百万円かかってしまい、気軽に投資できるものではありません。
純金積立は、「金が欲しいけど、資金をたくさん用意できない」という人でも始めやすいのがメリットです。
純金積立がおすすめな人・やめておいたほうがいい人
純金積立がおすすめな人と、やめておいたほうがいい人の特徴を紹介します。
純金積立がおすすめな人
純金積立はお金持ちにおすすめです。
- 億の資産を保有している人
- コストをかけてもリスク管理を徹底したい人
- 金を持つことに憧れがある人
純金積立は今ある資産を「増やす」のではなく、「守る」のに向いています。
しかし純金積立は運用コストが高く、赤字になる可能性が高いです。
守りたい資産が少額の場合、コストと釣り合いが取れない場合があります。
そのため、すでに億を超える資産があり、「今あるお金をコストをかけてでも守りたい!」という人におすすめです。
また金は、保有することで満足感や達成感を得られる資産でもあります。
コストがかかると理解した上で、精神的な恩恵を受けたいなら、純金積立を始めてみてもいいでしょう。
純金積立はやめておいたほうがいい人
いっぽうローコストで資産運用したい人や、今後に備えて手元のお金を増やしたいと考えている人に、純金積立は適していません。
- 今あるお金を増やしたい
- 保有コストをかけたくない
- アメリカの経済情勢に詳しくない
「純金積立はやめとけ」と言われるのは、やはり手数料が高く、純粋な利益追求に向いていないからです。
投資で大成功した世界の有名投資家たちの多くは、株やFXをメインにしています。
金で巨万の富を築いたという話は、ほとんど聞きません。
関連記事:世界と日本の有名個人投資家13選!成功者から学ぶ投資テクニック
米ドルと金の関係
また金の値動きは、米ドルと逆になる傾向があります。
- 米ドル高…金の価格は下がる
- 米ドル安…金の価格は上がる
「アメリカの経済情勢に詳しくない」「為替ってよく分からないし、勉強するのも大変そう…」という人は、軽々に純金積立を始めないほうがいいでしょう。
純金積立を始められるおすすめ証券会社2選
純金積立を取り扱っているのは、おもに証券会社や地金商(金の売買をする会社)です。
規模の小さいネット証券だと取り扱っていないこともあります。
できるだけ手数料が安い会社を選ぶのがおすすめです。
純金積立を始めるのにおすすめの証券会社をご紹介します。
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
SBI証券の買付手数料は、約定代金の税込1.65%です。
以前は2.0%でしたが、さらにお得になりました!
最低1,000円から、1,000円単位で積立できます。
最低1gからの定量買付も可能です。
年会費や保管手数料は無料なので、他社と比較してお得に積立できます。
さらにSBI証券は株の手数料も安く、取扱銘柄・選べる金融商品が豊富。
プラチナやシルバーの取り扱いもあります。
手数料が安い会社で純金積立を始めたい人や、他の金融商品も幅広く取引しやすい証券会社を選びたい人におすすめです。
\口座数&総合力No.1!/
関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
マネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
マネックス証券の買付手数料は2.5%です。
積立額を月1,000円から1,000円単位で設定できる点は、SBI証券と同じ。
手数料で選ぶならSBI証券のほうがお得ですが、マネックス証券は次のような点がメリットです。
- 毎週月曜日にプロのレポートが公開される
- 口座開設すると、目標の重量を達成するまでの期間をシュミレーションで計算できる
- 金はロンドン貴金属市場協会(LBMA)が定めた受渡し供用品ブランドで、すべて純度99.99%以上
また、プラチナやシルバーの取り扱いもあります。
マネックス証券は成長著しい米国株の取扱銘柄が多く、FXにも強いため、海外取引に興味があるなら特におすすめです。
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関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
「純金積立はやめとけ!」と言われる理由は利益を上げにくいから
純金積立は万人向けの投資ではありません。
「やめとけ」と言われるだけあって、コストが高く、利益を上げるのは難しいです。
今あるお金を増やしたいなら、個別株や投資信託のほうが適しているでしょう。
しかし充分に資産があり、これからは「守り」を意識したいのであれば、純金積立を始めるのもおすすめです。
また、純粋に金を持ちたいという人も、純金積立によって充足感が得られるでしょう。
純金積立以外にも、投資には国内外の個別株、FX、投資信託などさまざまな種類があるので、自分に合った方法を選んでみてください。
関連記事:【初心者必見】おすすめ資産運用5選!少額から始められる方法をご紹介
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