インデックス投資とは何か、初心者にもわかりやすく解説します。
仕組みやメリット・デメリット、おすすめのインデックスファンドを紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、特定のインデックス(指数)と連動した利益の獲得を目指す投資方法です。
インデックスとは
そもそもインデックスとは、株式市場や債券市場の全体的な値動きを示す数値のことです。
たとえば代表的なインデックスとして、ニュースでもよく耳にする「日経平均株価」があります。
日経平均株価は、日本経済新聞社が選んだ日本の225社の株価を平均化したインデックス(指数)です。
わかりやすく言うと、日経平均株価が好調なら、日本の大手企業が全体的に好調だということです。
他にも以下のようなインデックスがあり、どれもある市場の全体的なパフォーマンスを把握するために用いられます。
- 日経平均株価
- 東証株価指数(TOPIX)
- NYダウ(ダウ平均株価)
- ナスダック総合指数
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、特定のインデックスに連動する運用成果を目指す投資商品です。
たとえば日経平均株価と連動した投資成果を目指すインデックスファンドでは、日経平均株価が値上がりすればインデックスファンドも値上がりし、逆に日経平均株価が値下がりすればインデックスファンドも値下がりします。
つまりインデックスファンドを選ぶ際は、「どの指数(市場)を将来有望だと考えるか」が重要な判断基準です。
インデックスファンドには、投資信託やETFといった投資商品の種類があります。
つみたてNISAで非課税運用が可能なことから人気を集めているのは、投資信託です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
投資信託とは?
ファンドマネージャーが、投資家の代わりに資産運用をおこなってくれる投資商品のことです。
ひとつの投資信託を買うだけで、日本全体や米国全体の株や債券に分散投資ができます。
投資家が投資信託を買うと、投資した金額に応じて利益が受け取れます。
基本的にファンドマネージャーに任せっきりでほったらかし投資を実現できるため、手軽に投資を始めたい方へおすすめです。
どの企業の株を買うかひとつひとつ選ぶ手間が省ける点や、銘柄の管理が楽になる点もメリットとして挙げられます。
インデックス投資とアクティブ投資の違い
投資方法 | インデックス投資 | アクティブ投資 |
---|---|---|
運用目的 | 特定のインデックスと同じ値動きを目指す | インデックスを上回る運用成果を目指す |
組入銘柄 | 各インデックスを構成する銘柄 | 投資のプロが銘柄を選ぶ |
運用コスト | 低い | 高め |
投資期間 | 長期投資におすすめ | 短期~中長期 |
運用成果 | 特定のインデックスと連動する | ファンドマネージャーの手腕による |
おすすめな人 | 安定運用を目指す人 | リスクやコストの高さを承知した上で、多くの利益を得たい人 |
ここまでインデックス投資についてご紹介してきましたが、アクティブファンドを通じた「アクティブ投資」という投資手法もあります。
アクティブ投資の目的は、インデックスを上回る投資成果を目指すことです。
ファンドマネージャーがどの銘柄に投資するかを選び、積極的な運用をおこないます。
アクティブ投資の注意点
高いリターンを目指せると聞くと、アクティブ投資のほうがインデックス投資より優れているのでは、と感じるかもしれません。
しかしアクティブ投資を実践するアクティブファンドは、ハイリスクハイリターンな傾向です。
実際は投資成果がベンチマークを下回ってしまうこともあります。
また、アクティブファンドはインデックスファンドよりも運用にコストがかかるため、投資家が支払う信託報酬も高めに設定されています。
- ハイリスクハイリターン
- 運用にかかるコストが高め
関連記事:新たな投資方法「ソーシャルレンディング」とは?危ないって本当?仕組みを解説
インデックス投資のメリット
投資の世界では、初心者はアクティブ投資ではなくインデックス投資から始めたほうがよい、と言わることが多いです。
では、インデックス投資にはどんなメリットがあるのでしょうか。
- 初心者でも理解しやすい
- 銘柄選びが簡単
- 分散投資が手軽にできる
- 運用コストが安い
初心者でも理解しやすい
インデックス投資では、投資成果が特定の指数(インデックス)とほぼ同じになります。
そのため、初心者でも仕組みを理解しやすいです。
また、アクティブ投資よりも長期的な投資成果の予測を立てやすい点もメリットでしょう。
アクティブ投資の運用成果は、ファンドマネージャーの手腕に左右されるため、なかなか投資成果の予測を立てにくい面があります。
銘柄選びが簡単
株式投資を始めてみたいと思っても、いろいろな銘柄がありすぎて、どれを買えばいいのか迷ってしまう方も多いです。
「米国株が成長しそうだ」と思っても、ではどの企業の株を買うか、という問題が待ち構えています。
しかしインデックス投資では、個別銘柄の選定が必要ありません。
自分で企業の株をひとつずつ選んでポートフォリオを作らなくても、「米国株が成長しそうだから、米国の株価指数と連動するインデックスファンドに投資しよう」という風に、シンプルな考え方で銘柄の選定が可能です。
分散投資が手軽にできる
分散投資が手軽にできる点も、インデックス投資のメリットでしょう。
ひとつのインデックスファンドを買うだけで、さまざまな株式や債券に分散投資ができます。
たとえばMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、世界の先進国・新興国の株価を反映した株価指数です。
この株価指数に連動したインデックスファンドを買うだけで、世界中の先進国・新興国の株式に分散投資ができます。
世界中の企業の株を自分で選ぶのは大変ですが、インデックスファンドを利用すれば、とても手軽にグローバルな分散投資を実践できるのです。
関連記事:分散投資とは?リスクをおさえるには分散投資がおすすめ!方法と銘柄を紹介
運用コストが安い
インデックスファンドはアクティブファンドに比べて、運用コスト(信託報酬)が低い傾向です。
投資信託の運用・管理をしてもらう代わりに払う手数料です。
ファンドの運用中に、ずっと支払わなくてはなりません。
購入時手数料が無料(ノーロード)のファンドも多く、初期コストを抑えることができます。
運用成績がいい
過去の実績を振り返ると、多くのインデックスファンドが、アクティブファンドよりも良い成績を残しています。
投資のプロであるファンドマネージャーでも、市場平均を上回るパフォーマンスを安定して出し続けることは、決して簡単ではありません。
インデックス投資のデメリット
インデックス投資のデメリットも確認しておきましょう。
- 期待できるリターンは少なめ
- 短期投資には不向き
期待できるリターンは少なめ
インデックス投資では、あくまで特定の指数と同じ投資成果を目指します。
特定の指数以上のパフォーマンスを目指すアクティブ投資と違って、その指数を上回る勢いでリターンを得ることはできません。
また個別に株式を買っていると、時には数年で10倍、20倍と値上がりするケースがあります。
しかしインデックス投資では、このような大化けを基本的に狙えません。
逆に個別株式より大暴落する可能性が低いとも言えますが、一攫千金を狙って億万長者になれるような投資手法ではなく、「将来の生活費や娯楽費の足しにしたい」という人向けの手法です。
短期投資には不向き
インデックス投資は、長期投資向けの手法です。
長期的な市場の成長に伴う、安定的なリターンを狙います。
短期的にすぐ利益を得られる手法ではありません。
積立投資を利用して少しずつ資産形成したい人や、安定志向の人にはおすすめですが、短期間で利益を狙うならアクティブ投資のほうが適しています。
関連記事:信用取引とは?危険って本当?手数料やメリットを初心者にもわかりやすく解説
つみたてNISA対応インデックス型投資信託おすすめ3選
インデックス投資を始めるなら、「つみたてNISA」でインデックス型の投資信託を購入して運用する方法がおすすめです。
つみたてNISAとは、投資の利益に対してかかる約20%の税金が、一定枠内まで全額非課税になる国の制度です。
つみたてNISAの対象銘柄に選出されているインデックス型投資信託の中でも、以下の3つは人気があり、幅広い人におすすめできます。
銘柄 | 資産クラス |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 先進国株式 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 先進国株式 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 先進国株式 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 先進国・新興国の大型株と中型株の値動きを反映した株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックスファンド
- 投資家の間で大定番の人気銘柄
- 信託報酬が最安クラス
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」という株価指数と連動した運用成果を目指すインデックスファンドです。
この株価指数は、先進国・新興国の大型株と中型株の値動きを反映しています。
世界中の株式に、幅広く分散投資をおこないたい方へおすすめです。
投資家の間では、定番の人気銘柄となっています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 米国の大手500社の株価を反映した「S&P500指数」に連動するインデックスファンド
- S&P500は評価が高く、人気の投資先
- 信託報酬が最安クラス
米国の代表的な株価指数「S&P500指数」に連動するインデックスファンドです。
この投資信託を買うと、アメリカの主要な500社に分散投資ができます。
過去数十年間を振り返ると、S&P500は長期的に見た場合、ずっと右肩上がりで成長を続けてきました。
この株価指数に連動するインデックスファンドへ投資していれば、自然と儲かったということです。
この安定性・成長性が投資家の間では高く評価されていて、S&P500に連動する商品の中でも信託報酬が安い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、人気を集めています。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 米国の投資可能な株式ほぼ100%に分散投資できるインデックスファンド
- 連動する指数は「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」
- 大型株・中型株・小型株まで、約4,000銘柄を網羅
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」という指数に連動する投資成果を目指す投資信託です。
このインデックスファンドの最大の特徴は、米国の投資可能な株式ほぼ100%に分散投資できる点。
約4,000銘柄を網羅しており、大型株だけではなく、小型株も投資対象に含んでいます。
関連記事:株を買うならどこの証券会社がおすすめ?手数料や銘柄数を徹底比較!
インデックス投資に関するよくある質問
インデックス投資に関するよくある質問に回答します。
- インデックス投資と投資信託の違いは?
- インデックス投資はおすすめしない?
- インデックス投資は危ない?
- ETFと投資信託の違いは?
インデックス投資と投資信託の違いは?
投資信託は、投資家から集めた資金を、運用会社が株式や債券などの金融商品に投資して運用する金融商品です。
この投資信託のうち、特定の指数(日経平均株価やTOPIXなど)の値動きに連動するように運用される商品を、インデックスファンドと呼びます。
インデックスファンドを通じて投資をおこなう手法が、インデックス投資です。
インデックス投資はおすすめしない?
「インデックス投資はおすすめしない」「失敗する」というような口コミ・評判を目にすると、本当にインデックス投資を始めるべきか不安になりますよね。
しかし結論から言うと、インデックス投資は、投資未経験の初心者にもおすすめの資産運用方法です。
インデックス投資は危ない?
インデックス投資はアクティブ投資よりもローリスクですが、元本が保証されているわけではありません。
インデックス投資であっても、損をする可能性はあります。
しかし「個別株式」「FX」「仮想通貨」「不動産」といったさまざまな投資方法の中では、比較的リスクが低い手法です。
そのため「インデックス投資は危ない」という認識は、誤解である可能性があります。
ETFと投資信託の違いは?
ETF(上場投資信託)と投資信託は、どちらもひとつの銘柄を保有するだけで、複数の株式や債券に分散投資を実践できる投資商品です。
しかし、いくつか重要な違いがあります。
- 取引できるタイミング
- 手数料
- 分配金
- つみたてNISA対象銘柄の多さ
投資信託は基本的に、一日の終値に基づいて売買が行われます。
一方ETFは、株式と同様に、リアルタイムで変動している価格に基づいて取引がおこなわれます。
そのため、ETFのほうが流動性は高いです。
またETFのほうが、運用手数料である「信託報酬」は安い傾向があります。
さらにETFで受け取った分配金(投資家に分配される利益のこと)は、自動的に再投資される点も、投資信託との違いです。
投資信託は、分配金を受け取ることが可能なものと、再投資する形式のものがあります。
またETFはごく一部の銘柄しかつみたてNISAに対応していません。
しかし投資信託なら、幅広い銘柄がつみたてNISAに対応しています。
関連記事:株を買うタイミングはいつ?初心者が知っておきたい株の買い方・売り方
インデックス投資におすすめの証券会社3選
大手ネット証券の「SBI証券」、「松井証券」、「マネックス証券」は、インデックス投資におすすめの証券会社です。
インデックス投資はもちろん、幅広い投資ニーズに対応します。
さらに、3社とも100円から積立が可能で、投資信託の購入手数料は無料(ノーロード)です。
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,635件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
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関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
松井証券
総合評価 | |
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コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,240件 |
株式以外 | FX 先物・オプション |
口座開設・取引までの日数 | 最短3日 |
特徴 | 使い勝手の良いツール お得な手数料 手厚いサービス |
松井証券の投資信託の取扱銘柄は1,240本。
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関連記事:松井証券の評判・口コミまとめ!手数料や投資信託についても解説
マネックス証券
総合評価 | |
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コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
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関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
まとめ~インデックス投資は初心者にもおすすめ~
以上のようにインデックス投資とは、市場全体の動きに連動する指数へ投資する手法のことを指します。
長期的な視点で、安定した資産形成を目指す方法です。
アクティブ投資よりも運用コストが低く、運用成果を予測しやすいというメリットがあります。
また専門知識がなくても始めやすいです。
つみたてNISAと組み合わせることで、投資利益を非課税にすることもできます。
初心者にもおすすめな投資方法なので、ぜひインデックス投資で資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
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