VOOとはどんな米国ETFか、初心者でもわかりやすく解説します。
VTIやQQQなどのETFと比較して、VOOは安定感があるのにリターンもしっかり狙えるのが魅力です。
また運用コストも安いので、米国に投資するETFを探しているなら、幅広い人におすすめできます。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
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米国ETF「VOO」とは?
VOOとは、S&P500に連動する米国ETFのひとつです。
正式名称は「バンガード・S&P500ETF」といいます。
S&P500とは、米国を代表する約500銘柄による株価指数のことです。
株価指数とは、株価の動きを表すもののことをいいます。
米国を代表する500の企業で構成されているので、安定感があり、高いリターンも期待できるのが魅力です。
2020年初頭にコロナショックで価格が下落してしまったものの、基本的にはずっと右肩上がりで推移してきました。
2011年と2021年の年末株価を比較すると、10年間で約4倍に成長しています。
また、運用コストも非常に低いですよ。
「長期投資で利益を上げたい!」と思っているなら、おすすめの米国ETFです。
ETFとは?投資信託との違い
ETFと投資信託は似ています。
- 上場している
- 信用取引ができない
- 時価で取引する
- 積立投資は基本的に不可
大きな違いは非上場の投資信託に対し、ETFは上場しているという点です。
またETFは投資信託と違って、信用取引ができません。
取引価格は1日1回算出される基準価格ではなく、時価となります。
基本的に積立投資ができないのも、投資信託と異なる点です。
関連記事:【大損失】ETF短期売買|-60万円の失敗から学んだ3つの教訓
VOOの主要構成銘柄
VOOが連動するS&P500は、次のような銘柄で構成されています。
- グーグル
- アマゾン
- フェイスブック
- アップル
- マイクロソフト
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- バークシャー・ハサウェイ
- テスラ
- ユナイテッドヘルスグループ
- エヌビディア
- メタ・プラットフォームズ
日本でも有名な大手企業が名を連ねていますね。
GAFAMと呼ばれるアメリカを代表するIT5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)が組み込まれているので、ITの成長とともに値上がりが期待できるでしょう。
加えて保険・医療・ヘルスケアといった、安定感が高い領域の銘柄も高い比率で組み込まれています。
たとえばバークシャー・ハサウェイは、保険事業をべースに投資もおこなっている会社です。
またヘルスケアユナイテッドヘルスグループは、総合医療サービスを提供しています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、日本でも商品をよく見かけるヘルスケア用品の大手です。
関連記事:ETFのおすすめ銘柄まとめ!初心者必見の国内・米国ETFの魅力とは
VOOの魅力
VOOには、次のようなメリットがあります。
- 低リスク・高リターン
- 経費率が低く長期保有に適している
低リスク・高リターン
VOOは米国の主要500銘柄に投資するETFです。
構成銘柄はアップルやアマゾンなどの大企業が中心で、安定したリターンが見込めます。
個別株と違って投資先が分散されているので、リスクをおさえられるのも魅力です。
株価が全体的に値下がりしたコロナショックの際も、VOOは他のETFと比較して値下がりが少なく、社会の変化にも強い実績を持っています。
とはいえ「分散投資するなら、国内企業に投資するETFや投資信託でもいいんじゃない?」とお思いになるかもしれません。
しかし米国は世界中で知られている有名企業が多く、圧倒的な株価の上昇力を持っています。
日本は少子高齢化の影響で、経済成長率が低くなっていくと予想されていますが、アメリカは先進国にも関わらずいまだに2018年時点で約0.6%の人口増加を続けています。
そのため日本よりGDPも下がりにくいと予想されており、その米国の中核をなす大企業に集中投資できるVOOは、安定したリターンが期待できるETFです。
経費率が低く長期保有に適している
VOOは経費率が0.03%と、業界最低水準です。
ETFの経費率とは、ETFの運用にかかる費用が、ETFの純資産総額に対してどのぐらいかを示す数値。
低ければ低いほど、保有中に発生するコストを抑えられます。
長期保有しても運用コストがかかりにくいです。
「同じようなETFと迷っていたけど、よりコストが低いVOOを選んだ」という方も多いのではないでしょうか。
関連記事:株式投資にかかる税金をわかりやすく解説!初心者必見の税金対策
VOOの6つの注意点
配当利回りが低い
VOOの配当利回りは平均で2%を切っています。
配当利回りを狙うスタイルの運用とは、相性が悪いです。
ちなみに最近の配当利回りが高かった年は、2014年の2.06%、2015年の2.09%、2019年の2.42%となっています。
1口約5万円と高く少額投資には不向き
ETFは1口単位で購入できますが、VOOは1口あたりの金額が約5万円と高いです。
「高くて買いづらい」という人は、VOOと同じS&P500をベンチマークにしている金融商品のうち、1口数千円から購入できるものを選んでもいいでしょう。
ちなみに個別株であれば、1株から分割購入できるので、ワンコイン価格の投資も可能です。
つみたてNISAでは買えない
VOOは、つみたてNISAで買うことができません。
しかし、一般NISA(新NISA)では購入できます。
また、VOOと同じくS&P500をベンチマークとする投資信託の中には、つみたてNISAを利用可能なファンドもあります。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
つみたてNISAと一般NISAは併用不可なので、VOOをNISAで買いたいなら、一般NISA(新NISA)を選びましょう。
関連記事:新NISAとつみたてNISAはどっちがいい?変更点や違いを比較
ハイリターンが狙える小型株に投資できない
VOOは米国の大手企業に集中投資できる銘柄です。
しかし逆に言えば、小型株に投資できないということでもあります。
小型株は大型株と違って安定性に欠けるものの、今後の伸びしろに期待できるのが特徴です。
「リスクはあっても、高いリターンを狙いたい!」という人は、中小型株に投資する金融商品とVOOを組み合わせるのもありでしょう。
毎年確定申告しないと二重課税になる
米国ETFであるVOOは、日本と米国でそれぞれ課税されてしまいます。
とはいえ年度末に確定申告をおこなえば、米国の課税分は戻ってくるので、忘れないようにしましょう。
しかし、手続きが面倒に感じるかもしれません。
為替手数料がかかる
為替手数料がかかってしまうのも、米国ETFだからこそのデメリット。
日本円を米ドルに交換するとき、手数料がかかります。
為替手数料は証券会社によって異なり、多くの場合、1米ドル25銭です。
しかし証券会社によっては、買付の為替手数料が無料です。
また、系列の銀行で安く交換できるようになっているところもあるので、よりお得な証券会社や金融機関を探して利用するといいでしょう。
ちなみに投資信託では、為替手数料の負担がありません。
分配金を自動で再投資できない
投資信託では、分配金を口座に入金せず、自動で再投資に回すことができます。
しかしETFには、分配金を自動で再投資する機能がありません。
決算時に口座へ入金された分配金から、自分で買い足していく必要があります。
いちいち再投資をするのが面倒だと感じる可能性があるでしょう。
VOOの分配金利回りとリターン|チャート動向
VOOはETFなので、個別株のように配当金は受け取れません(しかし利益から投資家に払うお金であるという点は、配当金と同じなので、便宜上配当金と呼ばれることもあります)。
代わりに分配金を受け取れます。
結論から言うと、VOOは分配金利回が低いですが、リターンは期待できる銘柄です。
分配金とは、ファンドの運用で得られた収益を、決算ごとに各投資家へ分配するお金のことです。
VOOの分配金利回りは高い?低い?
分配金利回りとは
分配金利回りとは、ETFに投資した資金に対して、過去1年間に何%の分配金があったのかを示すものです。
分配金利回りは、過去1年間に支払われた分配金の合計を、ある時点の基準価額で割って算出します。
分配金利回り=過去1年間の分配金合計÷基準価格×100
VOOの分配金利回りはいくら?
分配金利回りは上記のように、実際に配布された1年間の分配金を基準価額で割って計算するため、毎年変化します。
2011年~2020年の平均配当利回りは、1.84%でした。
これは低い水準なので、分配金目当ての保有はおすすめできません。
年代 | 配当利回り |
---|---|
2020年 | 1.80% |
2019年 | 2.42% |
2018年 | 1.93% |
2017年 | 2.13% |
2016年 | 2.21% |
2015年 | 2.09% |
2014年 | 2.06% |
2013年 | 1.54% |
2012年 | 1.23% |
2011年 | 1.03% |
分配金はいつもらえる?
ETFによって、1年のうちに分配金を受け取れる回数は異なります。
おおよそ年1~4回の銘柄が多く、VOOでは年4回です。
2021年は、次のようなスケジュールで分配金が支払われました。
分配金支払日 | 分配金(1口あたり) |
---|---|
3月31日 | 1.26250米ドル |
7月2日 | 1.33290米ドル |
10月4日 | 1.30840米ドル |
12月27日 | 1.53290米ドル |
分配金を受け取るには、ETFの決算日(権利確定日)の前々日にあたる権利付最終日までに、ETFを保有していなくてはなりません。
しかし逆に言えば、権利付最終日にETFを保有していれば、翌日に売ってしまっても分配金を受け取れるということ。
この点は個別株の株主優待や配当金と一緒です。
関連記事:高配当株で配当金生活も夢じゃない!高配当株の選び方&儲けワザ
VOOのリターンは?チャートをチェック!
ETFを選ぶときに気になるのは、「実際どのくらいのリターンが期待できるの?」ということですよね。
VOOは過去の成績がよいETFです。
近年はコロナショックによって値下がりしたものの、ご覧のように基本的には右肩上がりで推移しています。
長期保有することで、高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
VOOの株価と騰落率
2011年~2021年にかけて、VOOの年末株価と騰落率がどう変化してきたか一覧化しました。
年代 | 年末株価 | 騰落率 |
---|---|---|
2021年 | $432.39 | 25.81% |
2020年 | $343.69 | 16.49% |
2019年 | $295.04 | 28.38% |
2018年 | $229.81 | -6.31% |
2017年 | $245.29 | 19.47% |
2016年 | $205.31 | 9.83% |
2015年 | $186.93 | -0.78% |
2014年 | $188.40 | 11.38% |
2013年 | $169.15 | 29.74% |
2012年 | $130.38 | 13.47% |
2011年 | $114.90 | -0.21% |
2011年には$114.90だった年末株価が、2021年には$432.39と、約4倍になっています。
マイナスになっている年もありますが、長い目で見れば今後も成長していくと予想できる、優秀なETFです。
VOOとその他の米国ETFを比較!
VOOとよく比較検討される米国ETFをまとめました。
VOOと比較されやすい「VTI」
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)は、CRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークとする米国ETFです。
米国の大企業に集中投資するVOOに対して、VTIは今後の成長が期待できる中小企業も投資対象という違いがあります。
VTIは過去5年のリターンも、0.03%の経費率も、VOOとほぼ同じ。
ただし中小企業は大企業よりも値動きが激しくなりがちなので、より安定性を重視するならVOOがおすすめです。
「リスクは高くなるけど、リターンを狙いたい!」という人は、VTIを選択するといいでしょう。
成長産業に集中投資する「QQQ」
QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1)は、ナスダック100指数をベンチマークとする、米国以外の企業にも投資できるETFです。
組み入れ銘柄のうち、約35%をGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)が占めています。
アメリカを代表するIT5社に、重点を置いて投資できるのが魅力です。
VOOとQQQの組み入れ銘柄は被っているものも多いですが、VOOは昔から有名な大手企業が多く、QQQは新興銘柄を取り入れています。
勢いに乗っているETFではありますが、VOOよりリスクは上がると言われているので注意。
より堅実に行きたいならVOO、勢いがある新興銘柄やIT企業に投資してリターンを狙うならQQQ、と選択するのがおすすめです。
分配金利回りが高い「SPYD」
米国ETFのSPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)は、VOOと同じく、S&P500指数をベンチマークとしています。
ではVOOとの違いは何かというと、投資先が配当利回りの高い80銘柄に絞られているという点です。
分配金利回りは3.0%以上と、VOOより高くなっています。
組入銘柄の保有比率はほぼ均等です。
しかし臨機応変な対応力に欠ける、景気に影響されやすい金融・エネルギー・不動産などの銘柄が多いというデメリットも。
企業の成長に期待して投資するというより、「高配当のETFを探している」という人向けです。
全世界の8,000銘柄に分散投資「VT」
VTはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするETFです。
正式には「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」と言います。
VOOと違って、米国の大型株だけではなく、全世界の小型~大型株約8,000銘柄に幅広く投資できるのがポイント。
投資可能な株式市場時価総額の約98%をカバーしており、分散投資の効果が高いETFです。
また、新興国銘柄の比率は低めに設定されています。
騰落率が高く買いやすい「SPLG」
SPLGはVOOと同じく、S&P500指数をベンチマークとする米国ETFです。
投資対象は米国大型株で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。
投資する銘柄は時価総額を基準に決めているため、資金が集まっている人気企業に投資できるのが特徴です。
過去5年の騰落率は、VOOより約9%高くなっています。
さらに1口あたりの金額はVOOより安く、買いやすいのも魅力です。
経費率はVOOと同じ0.03%に設定されています。
関連記事:世界と日本の有名個人投資家13選!成功者から学ぶ投資テクニック
VOOとS&P500連動の投資信託を比較
ETFだけではなく投資信託にも、S&P500と連動する商品があります。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
投資信託よりETFのほうが、運用にかかる手数料は安く設定されていることが多いです。
しかし投資信託には「積立投資ができる」「分配金を自動で再投資できる」「金額指定で購入できる」といった魅力があります。
特に上記2つの投資信託は、信託報酬(運用手数料のようなもの)が安くおさえられており、人気です。
関連記事:投資信託おすすめ銘柄&証券会社人気ランキング!初心者向け最新情報まとめ【2022年】
VOOを取り扱っているおすすめ証券会社2選
VOOは、どの証券会社でも取り扱っているわけではありません。
すでに証券会社の口座を持っている人も、VOOを保有したいなら、取り扱いのある証券会社で新規に口座開設が必要です。
VOOを取り扱っている証券会社の中でも、手数料の安さや総合力の高さから、以下の2社を特におすすめします。
マネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
マネックス証券は買付手数料のキャッシュバックをおこなっており、実質手数料0円※で購入できます。
※ただし、消費税は戻ってきません。
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個別株においても、米国株や中国株の手数料が充実しています。
海外銘柄に投資したい人と相性のいい証券会社です。
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関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
SBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
SBI証券はVOOの買付手数料が無料です。
また為替手数料も0.25円と安く設定されています。
さらに、住信SBIネット銀行で円をドルに交換した場合、為替手数料はたったの0.04円!
住信SBIネット銀行からSBI証券の口座に送金する際の手数料も無料です。
取扱商品数も非常に多く、総合力の高さで選ばれています。
\口座数&総合力No.1!/
関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
VOOの魅力はリターンの期待度と安定性の高さ!
VOOとはどんなETFか、お分かりいただけたでしょうか。
VOOは海外の大手企業に分散投資でき、リターンの期待度も安定性も高いのが魅力です。
QQQやVTIなど、一緒に比較されやすい銘柄の中でも、VOOは安定感が魅力だと言えるでしょう。
ただ1口あたりの価格が5万円~と高めで、分配金利回りも低いですが、運用にかかるコストはかなり安いです。
初めて海外投資しようと考えている人にもおすすめですよ。
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