CFD取引は、仕組みを理解する難易度が高い投資方法です。
「どういうこと?」と混乱してしまう初心者も多いでしょう。
「CFD取引とは何なのか、調べても難しくてイマイチよく分からない」
「もっとわかりやすく解説してほしい!」
今回はそんな初心者の方々に向けて、CFD取引とは何なのか、わかりやすく解説します。
あえてCFDで取引をするメリットは何なのか、どんなリスクがあるのかといった点も、丁寧に解説。
ぜひ参考にして、CFD取引を始めるかどうか、検討してみてください。
関連記事:CFD取引おすすめ証券会社は?8社徹底比較ランキング
CFD取引とは?仕組み・特徴をわかりやすく解説
CFD取引は、次のような仕組みを特徴とする投資の一種です。
- 投資対象の実物は保有しない
- 差額分だけをやりとりする
特徴①投資対象の実物は保有しない
CFD取引とは、実際に投資対象の株や金や原油を買うわけではなく、その価格が上がるか下がるかを予想して取引する方法です。
たとえば、原油の価格相場がこれから上がると思ったら、その予想に賭けて取引をします。
実際に原油を買うのではなく、ただその値段が上がるか下がるかを予想するだけです。
予想が当たれば、値上がりした分だけお金をもらえますが、逆に値下がりした場合は、値下がりした分のお金を失ってしまいます。
このように、実物を手にすることなく、価格の変動だけに注目して取引をするのがCFD取引です。
特徴②差額分だけをやりとりする
さらにCFD取引は、取引結果の差額だけをやりとりする点も特徴です。
たとえば通常の株式取引では、1単元が100万円なら、100万円のお金を出して株を購入しますよね。
しかし、CFDはちょっと違います。
取引の終わりには、儲けた金額分だけ受け取るか、損した金額分だけ支払う仕組みです。
証拠金を預ける
とはいえ、差金決済取引だからといって、元手0円で投資できるわけではありません。
CFD取引では、一定の証拠金を証券会社のCFD口座に預けます。
これは担保のようなものです。
関連記事:CFD投資と信用取引の違いを完全解説!7つのポイントで徹底比較
CFD取引は何に投資するの?
CFD取引では、金・原油・日経平均株価・A社の株価といった、さまざまな対象の値動きを予想して、利益獲得を狙えます。
CFD取引対象 | 解説 |
---|---|
株価指数 | 特定の株価指数の動きを予想して取引します。
|
株式 | 特定の企業の株価の上昇や下落を予想して取引します。 |
商品 | モノの価格変動を予想して取引します。
|
バラエティ | ブル/ベア型のETFやREIT |
株価指数CFD
まず、「株価指数CFD」というものがあります。
これは、たくさんの会社の株価を一つにまとめて平均化した、たとえば「日経平均株価」や「ダウ平均株価」などの値動きを予想するCFD取引です。
株価指数は、その国の経済がどうなっているのかを示す数字なので、経済がよくなれば上がり、悪くなれば下がります。
たとえば日経平均株価は、日本の景気の状況を映し出す株価指数です。
日本の経済がよくなれば、日経平均株価も上がると予想できます。
日経平均株価が低いときに買いポジションを保有して、高くなったときに売れば、この差額で利益を出すことが可能です。
株式CFD
次に、「株式CFD」があります。
こちらは、1社の株の値動きを予想するCFD取引です。
実際の株を買う代わりに、その株の価格の動きに賭けるような取引のことを指します。
アメリカの有名な会社の株なども、株式CFDで取引できますよ。
A社の株を安く買って、値上がりしたときに売れば、利益を出せます。
通常の株取引とCFD取引の大きく異なる点は、株価がこれから下がると思ったときも、CFD取引なら売りから入ることで、利益を得られること。
株の信用取引では、これを「空売り」と言いますが、CFDではその感じで取引できます。
また、持っているお金が少なくても、レバレッジを用いて大きな取引ができる点も、CFDと取引と通常の株取引の違いです。
商品CFD
さらに、「商品CFD」というタイプもあります。
これは、金や原油といった物の価格を予想するCFD取引です。
世界の出来事によって、金の価格が上がることもありますし、原油の価格が上がることも。
このような商品の動きを予想して取引するのが、商品CFDの面白さです。
バラエティCFD
最後に、「バラエティCFD」があります。
これは、特殊な取引対象、たとえば「ブル/ベア型のETF」や「REIT」の値動きを予想するCFD取引。
簡単に言うと、「ブル/ベア型」とは通常より大きな値動きをする商品のことで、「REIT」とは不動産に投資できる商品のことです。
ちょっと難しいですが、具体的には以下の通り。
- ブル/ベア型…特定の指数の動きを、一定の倍数で追従するような商品を指します。たとえば、2倍ブル型ETFなら、指数が1%上昇すれば、そのETFは約2%上昇することを目指します。2倍ベア型ETFなら、指数が1%下落すれば、そのETFは約2%上昇することを目指します。
- REIT…REITは、たくさんの人からお金を集めて、そのお金でビルやマンション、ショッピングモールなどの不動産を買い、その不動産から得られる家賃などの収入を投資した人たちに分配する仕組みです。一般の人でも、少額から大きな不動産への投資を楽しむことができるのが魅力ですよ。
バラエティCFDは、値動きが激しいものも多いです。
短期取引には向いていますが、リスクも高いので、初心者は注意しましょう。
関連記事:DMM.com証券CFD取引の評判・メリット・デメリットを徹底解説!
CFD取引のメリットをわかりやすく解説
「株価指数に投資するなら投資信託やETFでもいいんじゃない?」
「個別株に投資するなら、現物取引や信用取引でいい気がするけど…」
投資についてある程度知識がある人なら、このような疑問を抱いたでしょう。
あえてCFDで取引がおこなわれるのは、CFD取引ならではのメリットがあるからです。
- 少ないお金で大きな取引ができる
- 価格が上がる場面でも下がる場面でも儲けるチャンスがある
- ほぼ24時間取引できる
- 色々な商品を取引できる
少ないお金で大きな取引ができる
CFD取引では、持っているお金よりもたくさんの金額を投資できます。
これは「レバレッジ」と呼ばれる仕組みです。
たとえば100円しか持っていなくても、10倍のレバレッジを使えば、1,000円分の取引ができます。
CFD取引では、持っているお金に対して何倍までのレバレッジをかけられるか、CFD取引対象ごとに決まっています。
CFD取引対象 | 最大レバレッジ倍率 |
---|---|
商品 | 20倍 |
株価指数 | 10倍 |
株式 | 5倍 |
もし取引がうまくいけば、レバレッジを利用している分、利益も大きくなります。
1万円の取引で100円の利益が出るところを、10倍のレバレッジを使って10万円の取引をすれば、1,000円の利益になることも考えられますよね。
価格が上がる場面でも下がる場面でも儲けるチャンスがある
CFD取引では、価格の動きを上手く予想できれば、価格が上がる場面でも下がる場面でも、利益を得ることが可能です。
通常の取引だと、価格が上がったときにしか儲けられません。
「安いときに買って、高いときに売る」ことで利益を出すからです。
これから価格が下がりそうだという場面では、買ったところで高く売るのは難しいですよね。
でもCFD取引では、価格が下がりそうだというときでも、売りからスタートして予想通り価格が下がったら買えば、「高く売って安く買い戻す」ことによる差額で利益が出せます。
ほぼ24時間取引できる
CFD取引のすごいところは、平日ならほぼ24時間、いつでも取引できることです。
たとえば、夜中に大きなニュースが出て株価が動くことがあっても、すぐに取引して対応することができます。
普通の株取引だと、夜中には取引できないので、朝まで待たないといけません(ただ、一部の銘柄を夜間取引できる証券会社もあります)。
また、日中に仕事や学校で忙しくても、夜や早朝に取引することができます。
自分のライフスタイルに合わせて取引を楽しむことができますね。
色々な商品を取引できる
CFD取引では、金や油など、さまざまな商品の値動きを予想して楽しむことができます。
自分の興味や予想に合わせて、幅広い投資が可能です。
関連記事:CFD取引のデメリット・リスクとは?失敗を防ぐ方法を分かりやすく解説
CFD取引の手数料
CFD取引をするとき、取引手数料は基本的にかかりません。
でも、いくつかのコストが発生しますよ。
- スプレッド
- 各種調整額
スプレッド
まず、「スプレッド」というものがあります。
CFD取引では、同じ投資対象でも、買いと売りの価格が別々に設定されています。
この価格差がスプレッドです。
スプレッドは、1回の取引ごとに発生します。
証券会社の利益であり、投資家にとっては実質的な取引手数料です。
ほんのちょっとしたコストに感じられますが、取引を繰り返すほど、負担に感じます。
スプレッドは証券会社ごとに異なるので、できるだけスプレッドが狭い会社を選ぶのがおすすめです。
各種調整額
- 価格調整額
- 金利調整額
- 権利調整額
CFD取引のもうひとつのコストが、各種調整額です。
調整額のルールは、業者によって異なります。
さらに各調整額の名称は、取引をおこなう証券会社によって違いがあります。
詳しくはそれぞれのサイトを見てみてくださいね!
関連記事:楽天証券CFDの評判・メリット・デメリット完全ガイド!2021年1月から待望のサービス開始
CFD取引のリスク・デメリット
CFD取引は投資の一種なので、損をする可能性もあります。
以下にCFD取引のリスク・デメリットをまとめました。
- レバレッジ倍率が高いとハイリスク
- 元本以上の損をする場合がある
- 長期投資には不向き
レバレッジ倍率が高いとハイリスク
CFD取引には、少しのお金で大きな取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあるとご紹介してきました。
レバレッジの倍率が高くなればなるほど、ハイリスク・ハイリターンな取引になっていきます。
つまり、高いレバレッジをかければかけるほど、少しの値動きで大きな利益を狙える一方、予想と反対に動いた場合の損失も大きくなるということです。
レバレッジを使う時は、自分の決めたルールでしっかりと取引を管理することが大切です。
元本以上の損をする場合がある
CFD取引では、大きく損をしてしまうと、自分が持っているお金よりも多くの損失が出てしまうこともあります。
もしそうなった場合、追加でお金を入れなければなりません。
これを「追証(おいしょう)」と言います。
大事なお金を守るためにも、早めの損切りを心掛けましょう。
長期投資には不向き
CFD取引は、短期間で利益を狙うのに向いています。
長い時間をかけて、じっくりコツコツ資産形成するのには向いていないんです。
なぜかというと、CFDは何倍かのレバレッジをかけた取引が前提なので、通常の投資よりも価格の変動が大きくなってしまうから。
長期で資産を増やしたいなら、株の高配当投資やつみたてNISAなど、別の方法を考えるのが良いでしょう。
関連記事:米国株CFDのメリット・デメリット評判を徹底解説!おすすめ証券会社まとめ
CFD取引ができるおすすめの証券会社3選
CFD取引は、証券会社のCFD口座があれば始められます。
CFD取引ができるおすすめの証券会社は、次の通りです。
- GMOクリック証券
- IG証券
- SBIネオトレード証券
GMOクリック証券
総合評価 | |
---|---|
取引手数料 | 無料 |
取扱商品 | 株価指数CFD 商品CFD 株式CFD バラエティCFD |
デモ口座 | あり |
口座開設・取引までの日数 | 最短当日 |
GMOクリック証券は、ネット証券の中で特にCFD取引に注力している会社として知られています。
CFD銘柄の選択肢は、業界内で豊富な部類です。
人気のある銘柄を厳選して提供しています。
これは「どの銘柄を選んだらよいか迷ってしまう」という初心者の方々には特に魅力的でしょう。
\無料ではじめる!/
関連記事:GMOクリック証券の評判・口コミまとめ!人気のFXや手数料についても紹介
IG証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | – |
取り扱い商品 | FX 先物・オプション CFD |
口座開設・取引までの日数 | 最短2日 |
特徴 | 豊富な通貨ペア FX以外も豊富 お得なキャンペーンが多い |
CFD取引に関して銘柄の選択肢を多く求める方に、IG証券が最適です。
IG証券のCFD取引銘柄のラインナップは、国内でトップ。
特に株式CFDにおいては、数千銘柄を誇っており、他の証券会社と比べてもその多さは際立っています。
さらに、FXの通貨ペアも充実しており、バイナリーオプションの銘柄数でも日本での首位を誇ります。
CFDに加えてFXにも関心を持つ方には、IG証券は特にオススメの証券会社となるでしょう。
\最大5万円キャッシュバック!/
関連記事:IG証券ノックアウトオプションのメリット・デメリット!攻略方法完全ガイド
SBIネオトレード証券
CFD取扱銘柄 | 株価指数CFD4銘柄 個別株CFD27銘柄 |
---|---|
最大レバレッジ設定 | 株価指数CFD:10倍 個別株CFD:5倍 |
ロスカット水準 (証拠金維持率) | 100% |
スプレッド | 銘柄ごとに異なる |
スマホアプリ | ネオトレードCFD |
注文受付時間 (成行注文以外) | 以下時間帯を除く ■火~金 ■土 |
注文方法 |
|
SBIネオトレード証券、旧称ライブスター証券は、2022年9月からCFD取引を開始しています。
この証券会社では、厳選された4つの株価指数CFDと27の米国個別株CFD、合わせて31銘柄を提供していますよ。
取引コストの面でもSBIネオトレード証券は魅力的です。
国内株取引や信用取引の手数料が業界最安水準であり、信用取引の売買手数料は無料です。
投資家はコストを削減して利益を最大化することが見込めます。
また、CFD取引においても、基本的な注文方法だけでなく、中~上級者に合わせた多様な注文方法を提供しており、利用者からの評価も高いです。
低コストで多彩な取引を求める投資家に、SBIネオトレード証券はおすすめの証券会社と言えるでしょう。
\株・信用・CFDに特化!/
関連記事:SBIネオトレード証券のCFD取引の評判・口コミ!銘柄一覧・CFD取引口座開設のやり方も紹介
CFD取引のやり方
それでは、簡単にCFD取引の手順を説明しましょう。
- どの銘柄を取引するか決める
- 上がると思うか、下がると思うかを決める
- どれくらいの量を取引するかを選ぶ
- 損を抑えるための設定をする
- 取引を終わらせる
STEP1.どの銘柄を取引するか決める
まずは、どの銘柄を取引するか選びます。
銘柄とは、金や個別株のことを指します。
例えば、日経平均株価やA社の株など、たくさんの選択肢がありますよ。
STEP2.上がると思うか、下がると思うかを決める
ここでの「上がる」や「下がる」とは、商品の価格の動きを予測することを意味します。
上がると思う場合は「買い」、下がると思う場合は「売り」という取引をします。
STEP3.どれくらいの量を取引するかを選ぶ
取引する量を決めます。
少ない量から始めることもできます。
初めての方は、少ない量から挑戦するのがおすすめです。
取引する量が多いと、リスクも大きくなるので注意が必要です。
STEP4.損を抑えるための設定をする
CFD取引をするときは、利益確定・損切りの設定もあらかじめしておくと安心です。
利益確定とは、ある程度の価格まで上がったときに決済して、利益を確定させることです。
損切りとは、予想と逆方向に価格が動いてしまったとき、ある程度の損失で決済して、それ以上の損失を食い止めることです。
確実に決まった価格で取引を終えたいなら、ノックアウトオプションという方法もあります。
ノックアウトオプションとは、どれだけの損失までなら許容できるか(ノックアウトレベル)を決めておき、レベルになったら自動で取引を終了する仕組みのことです。
この方法の良いところは、最初にどれだけのリスクを取るかを決めておけるので、大きな損失をしないようにできることです。
STEP5.取引を終わらせる
取引を終了するときは、持っているポジションを決済します。
これにより、得た利益や損失が確定します。
このように、CFD取引はシンプルなステップで進めることができます。
関連記事:金(ゴールド)CFD取引におすすめの国内証券5選を徹底比較!本当に優秀な業者が見つかる
CFD取引の疑問にわかりやすく回答
CFD取引のよくある疑問にわかりやすく回答します。
- CFD取引と先物取引の違いは?
- CFD取引と先物取引はどっちがおすすめ?
- くりっく株365とは?
Q.CFD取引と先物取引の違いは?
CFDには決済期限が存在せず、投資家は自分のタイミングで売買を行うことができます。
先物取引は、あらかじめ定められた決済期限があり、その期日になると自動で取引が決済されます。
このため、先物取引では期日前に含み損が発生していた場合でも、選択の余地なく決済されるリスクがあるのです。
Q.CFD取引と先物取引はどっちがおすすめ?
CFD取引と先物取引はどちらがおすすめかというと、初心者の方にはCFDがおすすめです。
その理由として、先物取引はスタート時に多額の資金が必要とされることや、決済期限に縛られる点が挙げられます。
一方でCFDは、少額からの取引開始が可能で、より自由度の高い投資ができるとされていますよ。
Q.くりっく株365とは?
「くりっく株365」とは、東京金融取引所(TFX)で取り扱われているCFD取引の一つです。
具体的には、日本の主要な株価指数や個別株を対象としたCFD取引のサービス名です。
投資家が心配する証券会社の破綻リスクについて、くりっく株365では投資家が預けている証拠金は原則として全額保護される仕組みが取り入れられています。
つまり、くりっく株365を取り扱う証券会社が万が一破綻しても、投資家の資金は安全に守られるのです。
くりっく株365を利用すれば、より安心してCFD取引を行うことができるのですね!
CFD取引は投資対象の実物を保有しない投資方法!
CFD取引は、実物の資産を直接購入するのではなく、価格の変動に対する差金を取引する方法です。
メリットとしては、少額の資金から取引が可能で、価格の上昇だけでなく下落時にも利益を追求できる点が挙げられます。
一方、デメリットは、レバレッジを使用するため比較的大きなリスクを伴うことです。
信頼性の高い証券会社を選び、口座開設後、必要な証拠金を預けて取引を開始できます。
初心者の方は、まずは少額からスタートし、リスク管理を十分に理解した上で本取引を行うのがおすすめです。
コメント