証券口座は1人で複数持つことができます。
「国内株取引は手数料が安いSBI証券」「ポイント投資は楽天ポイントが使える楽天証券」と、ニーズに応じて複数の証券口座を使い分けてもいいでしょう。
ただし証券口座を複数持つと、資金管理や確定申告が複雑になるといったデメリットもあります。
そのため、「証券口座は絶対に2つ以上作ったほうがいい!」というわけではありません。
自分のニーズに応じて複数使い分けるか否か決めるのがおすすめです。
このページでは、証券口座を複数持つと、どんなメリット・デメリットがあるのか解説しています。
また、「複数の証券会社で同じ銘柄を保有できる?その場合、どんなメリットがあるの?」「証券会社のおすすめの組み合わせは?」といった疑問にもお答えしていますよ。
関連記事:SBI証券の手数料プラン「スタンダード」と「アクティブ」はどっちがおすすめ?違いを比較
証券口座は複数開設できる
証券口座は1人で複数持つことができます。
そして、証券口座は複数持つのがおすすめです。
証券会社によって、それぞれ特色は異なります。
証券口座を複数開設して使い分けることで、多数のメリットを受けることができるのです。
実際のところ、経験のある投資家でも一つの口座のみで理想の投資スタイルを実現することは難しく、証券口座を複数持つことでリスクヘッジしている場合が多いですよ。
ただし同じA社で証券口座を2つ以上作ることはできないため、A社とB社にひとつずつ作る形になります。
初心者でも証券口座は複数開設するべき?
「まだ投資をしたことがない」「投資経験が浅い」という初心者の場合、いきなり複数の証券口座を開設する必要はありません。
証券口座を複数持っていると管理が複雑になるので、まずはひとつだけ証券口座を作り、投資に慣れていくといいでしょう。
「もっと手数料を安くしたい」「東南アジアの株を買いたい」など、今使っている証券会社でカバーできないニーズが出てきたときに、別の証券会社での口座開設を検討すればOKです。
ネット証券の口座開設方法!必要なもの・かかる日数・口座の違いなどをやさしく解説
NISAは一人1口座まで
証券口座は複数開設できますが、NISA口座はすべての金融機関を通して一人1口座までとなります。
NISA口座の開設は、取扱い銘柄の豊富さや手数料の安さなど、選定基準に優先順位を設けて慎重に検討しましょう。
NISA口座の切り替えは可能ですが、1年単位でしか変更できず、口座の廃止通知書を取り寄せるなど、切り替えには手間がかかります。
NISA口座はできるだけ自身が納得できるところで口座開設しておくと良いですよ。
つみたて(積立)NISAおすすめの銘柄10選&ネット証券3社を紹介!選ぶポイントも分かりやすく解説
証券口座を複数持つメリット
それでは、証券口座を複数開設するメリット6つを解説していきます。
- ニーズによって使い分けられる
- 手数料など運用コストを抑えられる
- IPOの当選確率アップを狙える
- 幅広く情報収集ができる
- 分散投資でリスクヘッジができる
- 自分に合う証券会社が見つかる
①ニーズによって使い分けられる
証券会社によって、以下のように特色が異なります。
- 手数料の安さ
- 外国株銘柄の豊富さ
- ポイント投資
- 少額投資ができる
- IPO実績の多さ
証券口座によって、それぞれ足りない部分を補う形で複数口座を持っていると、バランス・効率良く投資をおこなえます。
それぞれの証券会社の強みを活かすために、自身が求めるニーズに応じて複数口座を使い分けると良いですよ。
【徹底比較】ネット証券10社を比較・初心者におすすめ3選を紹介!
②手数料など運用コストを抑えられる
複数の証券口座を使い分けることで、取引手数料などの運用コストを低く抑えられます。
証券会社によっては、手数料無料プランを提供しているところがありますよ。
楽天証券ではゼロコースを選んだ場合、SBI証券では条件を満たした場合、国内株の現物・信用取引手数料が無料です。
とにかく運用コストを抑えたい人は、手数料の安い証券会社を複数開設することをおすすめします。
手数料が安いネット証券はどこ?それぞれの証券会社の特徴を徹底比較!
③IPOの当選確率アップを狙える
複数口座を持つことで、IPO(新規公開株)の当選確率アップが狙えます。
IPOは購入権利が抽選となるため、なるべく多くの証券会社から抽選することで当選確率を上げられます。
特にSBI証券では、IPO実績が122社とトップクラスでおすすめです。
次に楽天証券で74社、マネックス証券では65社のIPO実績がありますよ。
IPO抽選が目的の人は、IPO実績の多い証券会社がおすすめです。
IPO株の買い方を分かりやすく解説!買う際のポイントやおすすめ証券会社
④幅広く情報収集ができる
証券口座を複数開設するメリットの一つに、利用できるサービスが増えることがあります。
証券会社は、それぞれ独自のサービスを提供しています。
「会社四季報」「日経テレコン」「バロンズ・ダイジェスト」など、各社が提供するサービスから幅広く情報収集するために、複数口座を利用する人は多いです。
また、証券会社によって公表されている表やチャートなどから得た情報は、他の証券会社での取引でも活用できますよ。
⑤分散投資でリスクヘッジができる
複数口座に資金を分散してリスクヘッジができる、というメリットもあります。
大手証券会社が倒産してしますリスクはゼロではありません。
また、ネット証券ではシステムエラーやサーバーダウンにより、一時的に取引不可能になることも稀にあります。
こういったトラブル発生時、複数口座を持っているとリスク分散ができて便利ですよ。
⑥自分に合う証券会社が見つかる
ニーズに合わせて複数口座を使い分けているうちに、自分自身にもっとも合う証券会社が見つかりますよ。
口座開設や口座維持に費用は発生しませんので、複数社を試して使いやすい証券会社を見つけてみましょう。
また、慣れてくると自分が積極的に投資したい出資先も見えてくるでしょう。
国内株や外国株など、自分の投資スタイルに合わせてメイン運用したい証券口座を決めると良いですよ。
関連記事:ポイント投資は意味ない?おすすめ証券会社6選を紹介!
証券口座を複数持つデメリット
証券会社を複数持つメリットを解説してきましたが、ここからはデメリットを3つ解説します。
- 確定申告が複雑
- 複数の口座管理は大変
- 投資資金を一点集中しにくい
①確定申告の手続きが面倒くさい
投資である一定の運用益がある人は、損益通算で確定申告する必要があります。
複数口座を持っていると、確定申告の申請も複雑化するため、面倒くさいと感じる人が多いです。
確定申告の手間を省くためにも、証券口座の開設時には「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶことをおすすめします。
源泉徴収のある特定口座で解説しておくと、口座のある証券会社が自動で税金を引いてくれ、確定申告が不要になるのです。
ただし、複数ある口座のうちどれか一つの口座でマイナス損益があったとすると、税金を払いすぎている可能性があります。
その場合、払いすぎた税金を還付してもらう為に損益通算が必要になるので注意してください。
②複数の口座管理が大変
証券口座を複数持つ大きなデメリットとして、口座管理の大変さがあります。
証券口座によって取引ツールがありますが、ログインするためにID・パスワードが必ず発行・設定されています。
証券会社のIDやパスワードはセキュリティ対策で複雑化されていることがほとんどですので、万一忘れてしまった場合、自力で思い出すことは困難です。
ログイン情報はメモに残すなどして、なくさないようにしっかりと管理しておきましょう。
③投資資金を一点に集中しにくい
複数口座を持つことで、投資資金がどうしても分散してしまいます。
ある商品をスピーディーに、出来るだけ多く購入したい場合でも、分散した資金を一点に集めようとすると手間がかかります。
複数口座をうまく使い分けるためには、証券口座ごとに取引ルールを定め、入金額や取り扱う商品を決めておくと良いですよ。
初心者の場合、管理があいまいになりがちなので、上記のように口座ごとの取引ルールを設けるように意識しましょう。
おすすめの証券口座の組み合わせ
複数口座を効率よく使い分けるためには、それぞれの特色や強みを活かして証券会社を組み合わせると良いです。
テクニカル分析におすすめの組み合わせ
- マネックス証券×SBI証券
テクニカル分析に力を入れたいなら、マネックス証券×SBI証券の組み合わせがおすすめです。
マネックス証券では、テクニカル分析に役立つと評判の「銘柄スカウター」が使えます。
銘柄スカウターで見つけた銘柄を、手数料が安いSBI証券で取引するといいでしょう。
外国株取引におすすめの組み合わせ
SBI証券×マネックス証券
外国株投資に力を入れたいなら、SBI証券×マネックス証券の組み合わせがおすすめ。
マネックス証券は、米国株と中国株の取扱数が多いです。
しかし、他の外国株式は取り扱っていません。
いっぽうSBI証券は、他の証券会社でも比較的取り扱いが多い米国株や中国株だけではなく、合計9か国の外国株を売買できます。
米国株や中国株はマネックス証券、他の外国株取引はSBI証券…と使い分けると、銘柄の選択肢が広がりますよ。
関連記事:投資信託クレカ積立のポイント還元率は?証券会社7社を徹底比較!
おすすめの証券口座
総合力が高い下記3社と、好みのネット証券を組み合わせる方法もおすすめです。
- 手数料の安いSBI証券
- 米国株に強いマネックス証券
- 取引ツールが使いやすい松井証券
手数料が安いSBI証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 2,632件 |
株式以外 | 債券 FX CFD 金/銀/プラチナ 先物・オプション 保険 |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 圧倒的口座数 100万円まで手数料0円 充実のサービス |
口座開設数が業界最大のSBI証券は、1日の取引手数料が100万円まで無料になるプランがあります。
国内株式に強く、国内株式個人取引シェアは業界No.1です!
また、IPO実績数もトップクラスに高いのが特徴です。
総合的な面からも、初心者に口座開設をおすすめしたいネット証券ですよ。
\口座数&総合力No.1!/
関連記事:SBI証券の評判・口コミ!実際のところどうなのか利用者の声から徹底解説
米国株に強いマネックス証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,235件 |
株式以外 | 債券 FX 先物・オプション 金・プラチナ |
口座開設・取引までの日数 | 最短翌営業日 |
特徴 | 100円から始められる 米国株に強い お得なマネックスポイント |
マネックス証券は米国株に強く、積極的に米国株取引をおこないたい人におすすめのネット証券です。
米国株だけでも取扱銘柄数は4500本を超えており、大型から中小型銘柄までバリエーションも豊富に揃っています。
また、マネックス証券はIPO実績が65社とSBI証券に次いで高いです。
米国株に強いマネックス証券と国内株に強いSBI証券を、組み合わせて運用することをおすすめします。
\無料ではじめる!/
関連記事:マネックス証券の評判・口コミまとめ!米国株やIPOの人気についても解説
取引ツールが使いやすい松井証券
総合評価 | |
---|---|
コスト | |
信頼性 | |
NISA/つみたてNISA | 〇 |
投資信託 | 1,580件 |
株式以外 | FX 先物・オプション |
口座開設・取引までの日数 | 最短3日 |
特徴 | 使い勝手の良いツール お得な手数料 手厚いサービス |
100年の歴史がある松井証券は、多くの投資家からも信頼される安心・安定のネット証券です。
豊富な投資ノウハウから、初心者でも取引をスタートしやすい環境が整っています。
また、大きな特徴として圧倒的に使いやすい取引ツールがあります。
情報収集用のアプリやツールを無料で使え、アナリストによる企業ごとの分析を無料で閲覧することもできますよ。
1日50万円までは取引手数料が無料となるので、SBI証券と合わせると、1日150万円まで手数料無料で取引できますね。
\無料ではじめる!/
関連記事:松井証券の評判・口コミまとめ!手数料や投資信託についても解説
証券口座を複数開設するときのよくある質問
「証券口座を複数開設して放置すると、何かデメリットがあるのでは?」
「楽天証券で2つ口座を作ることはできる?」
このようなよくある質問に回答します。
- 証券口座を複数作って放置するとデメリットはある?
- 複数の証券会社で同じ銘柄を持つことはできる?
- 同じ証券会社で複数の口座を作れる?
Q.証券口座を複数作って放置するとデメリットはある?
少数ではありますが、取引をおこなわなくても、株や外国証券を持っているだけで「口座管理料」が継続的にかかる証券会社もあります。
たとえば大和証券は、金融商品を保有しているだけで口座管理料がかかる証券会社です。
投資対象 | 通常 | 3年分一括前払い | eメンバー | シルバー | ゴールド | プラチナ | 預り資産1,000万円以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
国内株式、出資証券および優先出資証券 | 1,650円※ | 3,960円※ | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
外国証券 | 3,300円 | 7,920円 | 3,300円 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
株式累積投資 | 3,300円 | - | 3,300円 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
※「ダイワの証券総合サービス」に加入していない場合、増額あり
とはいえ他の大手ネット証券では、ほとんどの場合、口座管理料は無料となっています。
そのため基本的には、「証券口座を持っているだけで何かお金を取られてしまうのでは?」と気にする必要はありません。
今回おすすめしたSBI証券・マネックス証券・松井証券なら、いずれも証券口座を持っているだけで発生するコストは0円です。
もちろん口座開設費用もかからないので、気軽に申し込めます。
関連記事:大和証券の評判・口コミは?口座を持っているだけで管理手数料がかかる!?
Q.複数の証券会社で同じ銘柄を持つことはできる?
複数の証券会社で、同じ銘柄の株や投資信託を持つことは可能です。
複数の証券会社で同じ銘柄を持つメリット
複数の証券会社で同じ銘柄を持つメリットは、投資信託の「クレカ積立」で、積み立てできる金額が増える・もらえるポイントが多くなることでしょう。
クレカ積立とは、証券会社が指定するクレジットカードで投資信託を積み立てると、投資額に応じてポイント還元が受けられる仕組みです。
例えばSBI証券では、三井住友カードで毎月最大5万円まで積み立てることができ、これにより250ポイントの還元があります。
同じようにマネックス証券やauカブコム証券、楽天証券も、それぞれ指定のクレジットカードで最大5万円まで積み立て可能です。
しかしひとつの証券会社でクレカ積立できる金額には上限がありますから、月に5万円以上をクレカ積立して余すところなくポイントをもらいたい人は、複数の証券口座を利用しなければなりません。
複数の証券口座でクレカ積立をする例
毎月の積立額が25万円の場合を見てみましょう。
SBI証券だけを使うと、もらえるポイントはたったの250ポイントです。
クレカ積立ではない通常の積立なら、5万円以上の積立が可能ですが、通常の積立分のポイントはもらえまえん。
積立方法 | 積立額 | ポイント還元 |
---|---|---|
SBI証券 (三井住友カード積立)※ | 5万円 | 250ポイント |
SBI証券 (通常積立) | 20万円 | – |
合計 | 25万円 | 250ポイント |
しかし複数の証券会社を使うと、25万円の積み立てで、毎月合計2,050ポイントが還元されます。
積立方法 | 積立額 | ポイント還元 |
---|---|---|
SBI証券 (三井住友カード積立)※1 | 5万円 | 250ポイント |
マネックス証券 (マネックスカード積立) | 5万円 | 550ポイント |
auカブコム証券 (au PAYカード積立) | 5万円 | 500ポイント |
楽天証券 (楽天カード積立)※2 | 5万円 | 500ポイント |
楽天証券 (楽天キャッシュ積立) | 5万円 | 250ポイント |
合計 | 25万円 | 2,050ポイント |
Q.同じ証券会社で複数の口座を作れる?
1つの証券会社で開設できるのは、1人あたり1口座までです。
たとえば楽天証券で口座を2つ作ることはできません。
楽天証券とSBI証券で1つずつ口座を作る、ということは可能です。
関連記事:債券投資できる証券会社を徹底比較!おすすめ債券と株式との違い解説
まとめ~証券口座は目的に合わせて複数使い分けよう~
証券口座は複数を使い分けてバランス良く運用することをおすすめします。
ただし、複数口座を持つことにより、確定申告の複雑化や資金の分散などデメリットがあることも理解しておきましょう。
口座開設や口座維持には費用がかかりません。
複数口座を利用することで、それぞれに足りない要素を補い、証券会社のいいとこ取りをしていきましょう!
手数料の安さやIPO実績の高さ、投資したい出資先があるかなど、自分に合う組み合わせを見つけるために、このページを参考に証券口座の開設を検討してください。
\口座数&総合力No.1!/
コメント